AI採用を導入するメリットとは?導入方法や注意点を徹底解説
近年、人手不足や採用コストの増加といった課題を抱える企業が増えています。
これらの課題を解決する手段として注目されているのが「AI採用」です。
この記事では、AI採用のメリット・デメリットから具体的な活用方法、導入事例まで詳しく解説します。
AI採用の導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
AI採用とは
AI採用とは、採用活動にAI技術を活用し、業務効率化や客観的な評価を目指す手法です。
具体的には、求人スカウト、書類選考、面接などのプロセスでAIを活用します。
AIは、応募者の適性や企業とのマッチング度を分析する能力に優れており、人事担当者の負担を軽減しつつ、採用の質を向上させる効果が期待されています。
AI採用の導入する5つのメリット
AI採用を導入することで、企業は様々なメリットを享受できます。
ここでは、代表的な5つのメリットについて解説します。
採用業務のコスト削減
AIの導入により、時間のかかる書類選考や一次面接を自動化し、採用業務のコストを大幅に削減できます。
人事担当者は、ルーティンワークから解放され、より戦略的な業務に集中できるようになります。
特に、大量の応募者に対応する必要がある企業にとって、AIによる初期スクリーニングは大きな助けとなるでしょう。
採用の公平性向上による企業イメージアップ
AIは、感情や先入観に左右されず、客観的な基準で応募者を評価するため、採用の公平性を高めることができます。
アンコンシャス・バイアスを排除することで、多様な人材の採用を促進し、企業イメージ向上にも繋がります。
公平な採用プロセスは、優秀な人材からの応募を増やす効果も期待できるでしょう。
応募者対応の効率化
AIチャットボットやスケジューリングツールを活用することで、応募者からの問い合わせ対応や面接日程の調整を自動化し、応募者対応を効率化できます。
迅速なフィードバックは、応募者体験の向上にも繋がり、企業の評価を高めます。
精度の高い採用による離職率低下
AIは、過去のデータ分析に基づいて、企業に適した人材を予測します。
企業文化や職務とのマッチング度が高い人材を採用することで、入社後のミスマッチを減らし、結果として離職率の低下に繋げることが可能です。
精度の高い採用は長期的な視点で見ると、企業の成長に大きく貢献するでしょう。
応募者の本音を引き出す仕組みづくり
AIを活用した面接では、応募者がリラックスして回答できる環境を提供できます。
また、表情や声のトーンといった非言語情報も分析することで、応募者の本音や潜在的な適性をより正確に把握できる可能性があります。
従来の面接では見えにくかった応募者の隠れた才能を発掘できるかもしれません。
AI採用を導入する4つのデメリット
AI採用には多くのメリットがある一方で、導入には注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、4つの側面から、AI採用のデメリットについて詳しく解説します。
AI採用導入・運用にかかるコスト
AI採用システムの導入には、初期投資や継続的な運用コストが発生します。
また、システムを効果的に活用するためには、社内データの整備や担当者のスキルアップも必要です。
導入を検討する際には、これらのコストを総合的に考慮し、費用対効果を見極めることが重要となります。
AIだけで判断できない潜在能力や人間性
AIは過去のデータに基づいて判断するため、応募者の潜在能力や創造性、ユニークな価値観などを十分に評価できない場合があります。
特に、前例のない職種や新規事業領域では、AIだけで人材を評価することに限界があることを理解しておく必要があります。
AI採用で差別が起きるリスク
AIのアルゴリズムは、学習データに依存するため、過去のデータに偏りがある場合、差別が起きるリスクがあります。
例えば、過去の採用データが男性中心であった場合、AIが男性を優先的に選考してしまう可能性があります。
AIの判断基準がブラックボックス化していることも問題視されています。
応募者側の心理的抵抗
AI面接やAIによる評価に対して、応募者が不信感や抵抗感を持つ可能性があります。
人間とのコミュニケーションを重視する応募者にとっては、AIによる選考が冷淡に感じられるかもしれません。
そのため、AI採用を導入する際には、応募者への丁寧な説明と理解を求めることが重要となります。
AI採用の具体的な活用方法
AI採用は、書類選考、面接、求人媒体など、採用プロセスの様々な段階で活用できます。
ここでは、それぞれのプロセスにおける具体的な活用方法について解説します。
書類選考プロセスでのAI活用方法
AIは、履歴書やエントリーシートを解析し、職務経験やスキル、資格などから適合度を評価する書類選考に活用できます。
また、志望動機や自己PRの文章を分析し、企業文化との親和性や意欲の高さを数値化することも可能です。
不適切な表現のチェックや適性検査の自動評価にも応用できます。
面接プロセスでのAI活用方法
AI面接ツールを利用すれば、応募者は時間や場所を問わず面接を受けることができます。
面接中の表情や声のトーンを分析し、感情や適性を評価することも可能です。
回答内容を解析し、論理性や表現力、専門知識などを評価することもできます。
求人媒体におけるAI活用方法
AIは、特定の属性や興味関心に合わせたターゲティング広告の配信に活用できます。
求職者の経歴や検索履歴に基づいた求人情報の推薦も可能で、応募者と求人のマッチング精度を向上させることもできます。
SNSやプロフェッショナルサイトから適合人材を自動検索し、候補者を発掘することも可能です。
AI採用を実際に導入した有名企業の事例3選
AI採用は、多くの企業で導入が進んでいます。
ここでは、3つの有名企業の事例を紹介します。
これらの事例から、AI採用の具体的な効果や課題について学ぶことができます。
ソフトバンク株式会社
ソフトバンクは、2017年から新卒採用にAIを導入し、エントリーシートの内容から企業の「バリュー」に合う人材をAIが判定しています。
多様な学生に面接機会を与え、採用担当者の工数を大幅に削減しました。
過去のデータを分析することで、入社後の活躍度が高い人材の特徴も把握しています。
株式会社吉野家
吉野家は、2018年からアルバイト採用にAI面接システムを導入し、応募者はスマートフォンで質問に答えるだけで面接を受けることができます。
システムは、回答内容や表情、声のトーンなどを分析し、求める人材かどうかを評価します。
店舗数の多い吉野家では、採用プロセスの効率化と標準化に貢献しています。
Amazon
Amazonは、AIを活用した採用システムの開発に取り組みましたが、男性優遇のバイアスが生じる問題が発生し、開発を中止しました。
過去の採用データを学習させたAIが、当時の採用傾向を強化してしまったためです。
この事例は、AIシステムが過去のデータの偏りを増幅させる可能性があることを示しています。
AI採用ツールを導入時の3つの選定ポイント
AI採用ツールを導入する際には、いくつかの選定ポイントがあります。
ここでは、3つの観点から、選定ポイントを解説します。
採用ニーズに合っているか
企業規模や業種、求める人材像に合わせて最適なツールを選定することが重要です。
大量の応募者をスクリーニングしたい場合は書類選考AIが、面接の効率化を図りたい場合はAI面接ツールが適しています。
自社の採用課題を明確にし、その解決に最適なツールを選ぶことがポイントです。
導入コストに見合った効果があるか
AI採用ツールの導入コストと期待される効果を比較し、費用対効果を検討することが重要です。
業務効率化だけでなく、採用の質向上や応募者体験の改善など、多角的な効果を考慮する必要があります。
導入後の運用コストや教育コストも含めた総合的な判断が求められるでしょう。
導入後の運用サポート体制はあるか
AI採用ツールの効果を最大化するためには、導入後のサポート体制が充実しているかが重要です。
システムの不具合対応だけでなく、データ分析や活用方法のアドバイスなど、継続的なサポートが受けられるベンダーを選ぶことがポイントになるでしょう。
自社の採用システムとの連携や、法改正への対応なども考慮する必要があります。
AI採用ツールおすすめ5選
ここでは、おすすめのAI採用ツールを5つ紹介し、それぞれの特徴や強みを解説します。
自社のニーズに合ったツール選びの参考にしてください。
SHaiN(シェイン)
SHaiNは、株式会社タレントアンドアセスメントが提供する対話型AI面接サービスです。
応募者はスマートフォンやPCを使って、時間や場所を問わず面接を受けることができます。
AIが質問に対する回答内容や表情、声のトーンなどを分析し、企業の求める人材像との適合度を評価します。
24時間365日いつでも面接可能で、吉野家やリクルートなど多くの企業で導入されています。
KIBIT(キビット)
KIBITは、FRONTEO社が提供する、独自の人工知能エンジン「KIBIT」を活用した採用支援ツールです。
少量の教師データからでも学習が可能な点が特徴で、企業の「求める人材像」をAIに理解させ、応募者のマッチング度を評価します。
企業文化や価値観に合わせたカスタマイズが可能で、書類選考から面接まで一貫したAI活用が可能です。
HireVue(ハイアービュー)
HireVueは、米国発の世界的に有名なAI面接ツールで、グローバル企業を中心に700社以上が導入しています。
ビデオ面接の内容をAIが分析し、応募者の能力や適性を多角的に評価します。
100万人以上の面接データに基づいた高精度な評価が可能で、60以上の言語に対応したグローバル対応が可能です。
UnileverやJPモルガンなどのグローバル企業が導入しています。
Paradox.ai(パラドックスエーアイ)
Paradox.aiは、AI採用アシスタント「Olivia(オリビア)」を活用した採用プロセス全体を効率化するツールです。
応募者とのコミュニケーションから面接のスケジューリング、オンボーディングまでをAIが支援します。
自然な会話形式によるチャットボットでの対応が可能で、複数の採用プロセスを一元管理できます。
i-web(アイウェブ)
i-webは、リクルートが提供する採用管理システムで、AIを活用した書類選考や応募者対応の効率化を実現します。
多くの日本企業が利用している実績があり、他の採用システムとの連携も容易です。
日本企業の採用プロセスに特化した設計がされており、柔軟なカスタマイズが可能です。
まとめ
AI採用は、採用プロセスの効率化だけでなく、採用の質や多様性の向上、応募者体験の改善など、多くのメリットをもたらす可能性を秘めています。
一方で、導入コストや技術的限界、倫理的な課題なども存在します。
成功するAI採用の導入には、自社の採用課題を明確にし、適切なツールを選定すること、また人間の判断とAIの判断をバランスよく組み合わせることが重要です。
AIはあくまでも採用担当者の判断を支援するツールであり、最終的な採用決定は人間が行うべきでしょう。
技術の進歩とともにAI採用ツールの精度や機能は向上し続けており、今後さらに多くの企業で導入が進むと予想されます。
導入を検討する企業は、自社のニーズに合わせたツール選定と、段階的な導入プロセスを検討することをおすすめします。
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