Azure AI Foundryとは?機能・使い方・料金・他社AIとの違いをわかりやすく解説
Azure AI Foundryは、Microsoftが提供する生成AIの統合開発・運用基盤であり、最新のAIモデルを活用しながら、セキュアかつ迅速に業務に組み込むことが可能です。
Azure OpenAI ServiceやAI Agent Serviceなどを組み合わせることで、エンタープライズニーズに合った柔軟な構築が可能になります。
ローコードでの開発支援も備え、非エンジニア層の現場でも導入しやすいのが特徴です。
この記事では、Azure AI Foundryの機能、使い方、料金、他社ツールとの違いまで網羅的に解説します。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
Azure AI Foundryとは?
Azure AI Foundryとは、Microsoftが提供するエンタープライズ向けのAI開発支援プラットフォームです。 複数の最新AIサービスを統合管理でき、モデルの選定から運用・保守までを効率化できます。
ローコードでの開発や、OpenAI・Cohere・Metaなどの先進モデルへのアクセス、Microsoft 365との親和性の高さなどにより、非エンジニアでも実務レベルでAIを活用しやすいことが特徴です。 安全性やセキュリティにも配慮されており、業務実装を見据えたAI導入に適したソリューションです。
Azure AI Foundryを利用するメリット
AIのビジネス活用においては、技術力の高さだけでなく、導入のしやすさやセキュリティ、運用の柔軟性なども重要な判断基準となります。
Azure AI Foundryは、エンタープライズ環境に求められる多様なニーズに応える設計がされており、他のAIツールと比べても実務への適応力が高い点が魅力です。
本章では、最新技術の活用性、開発効率、セキュリティなどの観点から、Azure AI Foundryの導入メリットを5つに分けて解説します。
最新のAIモデル利用が可能
Azure AI Foundryでは、OpenAIやMetaなどが提供する最新のAIモデルの利用が可能です。
モデルごとに得意分野や特性が異なるため、目的に応じて最適なAIを選択でき、生成精度や応答スピードの向上が期待できます。
導入の初期フェーズから実用レベルのAI機能を取り入れることが可能です。
効率よく運用テストができる
Azure AI Foundryでは、UI操作とローコード環境により、効率よく運用テストができる設計になっています。
非エンジニアでも直感的にモデルの挙動を試せるため、PoC(概念実証)や初期チューニングの工数を大幅に削減できます。
モデルごとの特性比較や反応確認も容易で、業務へのスムーズな適用が可能です。
ローコードで開発が可能
Azure AI Foundryは、ドラッグ&ドロップやGUI操作中心のローコード設計により、非エンジニアでもAI
アプリを素早く構築できるため、ローコードで開発が可能です。
プログラミングスキルが不要な設計になっており、IT部門に頼らず現場主導でのプロトタイプ作成や改善が進められます。
これにより、開発スピードが向上し、社内の複数部門でAI活用を加速させる基盤としても優れています。
エンタープライズ対応をしている
Azure AI Foundryは、大企業の厳格な運用要件に対応できる設計となっており、エンタープライズ対応をしていることが大きなメリットです。
Microsoft 365やAzure Active Directoryとシームレスに連携でき、ユーザー管理やアクセス制御、監査ログなどガバナンス機能も標準装備されています。
さらに、大規模プロジェクトやマルチチームでの同時運用にも耐えうるスケーラビリティがあり、全社的な導入に適しています。
セキュリティ面の安心さ
Microsoftが提供するプラットフォームとして、ゼロトラストセキュリティモデルを採用しているため、セキュリティ面の安心さが大きなメリットです。
すべてのアクセスを検証する設計により、データの漏えいや不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。
さらに、Azure Active Directoryとの連携で認証管理も強化でき、企業内のポリシーに沿ったアクセス制御やログ監査も容易です。
特に金融・医療・製造業など高いセキュリティ基準を求める業界でも、信頼して導入できる基盤となっています。
Azure AI Foundryの主要機能
Azure AI Foundryは、複数のAI機能を統合し、ビジネス現場でのAI活用を加速させる総合プラットフォームです。
本章では、実務レベルで役立つ6つの主要機能について、それぞれの役割と利点を具体的に解説します。
Azure OpenAI Service
Azure OpenAI Serviceは、大規模言語モデルをセキュアな環境で利用できるサービスです。
GPTなどの高性能モデルにAzure経由でアクセスでき、社内ドキュメントの要約や自然言語による検索など幅広い業務で活用できます。 Microsoftのセキュリティ基準に基づいて運用されているため、企業利用にも安心です。
Azure AI Model Catalog
Azure AI Model Catalogは、用途別に最適なAIモデルを一覧から選べる機能です。
テキスト分類・画像解析・音声認識など目的別に分類されたモデルをGUI上で簡単に選択でき、導入のハードルを下げます。
モデルごとの仕様比較も可能なため、要件に合うAIを効率的に選定できます。
Azure AI Search
Azure AI Searchは、社内情報や外部データを自然文で検索できるエンタープライズ向け検索機能です。
ナレッジベースを構築し、FAQや技術文書の検索性を向上させることで、顧客対応や社内ヘルプデスク業務の効率化に寄与します。 RAG(検索拡張生成)との連携で、より文脈に沿った回答も実現可能です。
Azure AI Agent Service
Azure AI Agent Serviceは、対話型の業務支援エージェントを構築できる機能です。
あらかじめ定義したシナリオに沿って顧客や社員との対話を自動化し、問い合わせ対応や業務サポートを担います。
CRMやSaaS連携を通じて、実務に即した自動化が可能です。
Azure AI Content Safety
Azure AI Content Safetyは、AI生成コンテンツのリスクを検知・制御するセキュリティ機能です。
不適切な表現や個人情報の露出を検出し、ビジネス利用に適した品質管理を実現します。 法令遵守やブランド保護の観点からも、企業が生成AIを安心して使える環境が整います。
Azure AI Foundry portal
Azure AI Foundry portalは、各種AI機能を統合管理できる操作ポータルです。
プロジェクト作成からモデル選定、実行・評価までのフローをGUIベースで一元管理できます。
業務部門と開発部門が協力しやすい環境が整備されており、実装スピードの加速に貢献します。
Azure AI Foundryの始め方
Azure AI Foundryは、Microsoft Azure上で動作するAI活用基盤であり、導入もクラウドならではの手軽さがあります。
本章では、企業ユーザーがAzure AI Foundryを使い始めるまでの初期ステップを3つに分けてご紹介します。
サインアップ
サインアップは、Azureポータルにアクセスし、企業アカウントまたはMicrosoft Entra IDでログインすれば、すぐに利用準備が整います。
すでにMicrosoft 365やAzureを利用している企業なら、同一アカウントで連携もスムーズです。
初期設定
初期設定では、利用リージョンの選択とIAM権限の付与を行います。
対応している地域を選び、「Azure AI Foundry Contributor」などのロールをユーザーに割り当てます。
これにより、モデル実行やリソース管理など必要な操作が行えるようになります。
プロジェクトの作成
プロジェクトの作成は、Azure AI Foundryのポータルから「Create Project」を選択し、名前・説明・使用予定サービスを指定して立ち上げます。 目的に応じて、OpenAI ServiceやAI Searchなどの機能を追加し、柔軟にプロジェクト設計が可能です。
Azure AI Foundryの使い方
Azure AI Foundryを業務で活用するには、プロジェクトの作成からAIサービスの選定、実際の操作入力、結果の保存まで一連の手順を把握することが重要です。
本章では、各ステップをスクリーンショットとあわせて具体的に解説します。
プロジェクトを作成する
Azure AI Foundryでプロジェクトを作成するには、まずAzureポータルで「Azure AI Foundry」にアクセスし、ホーム画面から「+ プロジェクトの作成」を選択します。
プロジェクト名を入力し、利用するハブを選択または新規作成して完了です。
AIサービスの選択
プロジェクト内では、必要なAI機能を選択して利用します。
- たとえば「Azure OpenAI Service」や「AI Search」などを選択可能です。
- 各サービスは、目的別テンプレートを活用することで初期設定が簡略化されます。
指示を入力する
選択したAIサービスに対して、プロンプトやクエリなどの指示を入力します。
- テキスト生成では質問や指示文、検索ではキーワードを入力します。
- リアルタイムで結果が表示され、フィードバックを反映した再調整も可能です。
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保存する
生成された結果や設定内容は、プロジェクト内に保存して再利用が可能です。
- 出力結果をドキュメント化してチームで共有したり、分析用にダウンロードできます。
- 保存後は履歴として確認でき、モデルの改善やレポート作成にも役立ちます。
Azure AI Foundryの料金体系
AI導入を検討する企業にとって、費用対効果の見極めは非常に重要なポイントです。
Azure AI Foundryでは、用途に応じた従量課金制が採用されており、各機能の料金体系は多様です。
本章では、初期費用の有無から各サービスの課金単位まで、Azure AI Foundryの料金体系についてわかりやすく解説します。
課金の仕組み
Azure AI Foundryの課金の仕組みは、利用リソースに応じた従量課金制です。
各サービスで使用した生成トークン数、API実行回数、処理時間などに応じて料金が発生し、サービス単位での請求が行われます。
初期費用はかからず、使った分だけ支払うため、導入時の負担が少なく、予算に応じた柔軟なコスト設計が可能です。
主要なサービスの料金
主要機能に関する料金は以下のとおりです。利用頻度や用途に応じて、どのサービスが最も費用対効果に優れるかを見極めることが重要です。
業務フローに密接に関わる機能ほど、コストが積み上がりやすいため、予算配分や課金単位を事前に理解しておくと、導入後の無駄な支出を防ぐことができます。
また、トライアルや無料枠が提供されているサービスもあるため、初期段階で活用することで、実用性とコスト感を具体的に把握できます。
Azure OpenAI Service
Azure OpenAI Serviceの料金はトークン数に基づく従量課金です。 GPT-4やGPT-3.5 Turboなどモデルにより料金が異なり、出力・入力トークン数で計算されます。 たとえば、GPT-4では1,000トークンあたり約0.03〜0.06ドル程度が目安です。
Azure AI Content Safety
Azure AI Content Safetyでは、テキストや画像に含まれる有害コンテンツを自動で検出し、カテゴリごとにリスクをスコア化して表示します。
以下のスクリーンショットは、検出結果をダッシュボードで確認している様子を示しています。
Azure AI Content Safetyは、API呼び出し数に応じて課金されます。
不適切コンテンツの検知処理を行うたびに費用が発生し、月間利用量に応じたスケーラブルな価格設定です。 試験用途の無料枠もあり、少量利用なら実質コストゼロで評価可能です。
Azure AI Search
Azure AI Searchは、検索クエリ数やストレージ容量で料金が決まります。
インデックスの作成数や応答頻度に応じて料金が段階的に増加し、開発段階では低コストから始められます。 AIとの組み合わせでナレッジ活用が進む中、定額プランも検討する価値があります。
他サービスとの比較
生成AIプラットフォームの選定においては、機能だけでなく、導入のしやすさ、ユースケースとの相性、運用体制との連携のしやすさといった観点が重要です。
Azure AI Foundryは業務への実装を主軸にしており、他の大手クラウドAIサービスと比較しても特有の利点があります。
本章では、Google Cloud Vertex AIおよびAWS Bedrockとの主な違いについて整理し、選定の参考となる情報を紹介します。
Google Cloud Vertex AIとの比較
Google Cloud Vertex AIとAzure AI Foundryを比較し、それぞれの強みや適したユースケースを簡潔に解説します。 選定の判断材料としてご活用ください。
比較項目 | Azure AI Foundry | Google Cloud Vertex AI |
---|---|---|
提供スタイル | GUI中心・業務実装向け | MLOps主軸・開発者向け |
モデルの種類 | 商用モデル中心 | Google製+一部外部モデル |
ユースケース適性 | 業務導入やPoCなど | 研究・開発向け |
開発手法 | ローコード/GUI中心 | ノーコード+コードベース |
インフラ連携 | Microsoft 365やAzureサービスと連携 | Google WorkspaceやGCPサービスと親和性 |
Foundryは、業務現場でのスムーズな運用を重視した設計で、特に非エンジニアの現場担当者でも扱いやすい点が強みです。
一方、Vertex AIはMLOpsやデータサイエンティスト向け機能に優れており、継続的な学習やモデルのライフサイクル管理に適しています。
AWS Bedrockとの比較
Azure AI FoundryとAWS Bedrockの違いを、利用スタイルや機能の特徴など4つの軸で比較します。 導入目的やユーザー層に応じた選定の参考になります。
比較項目 | Azure AI Foundry | AWS Bedrock |
---|---|---|
モデル選択の自由度 | 高い(商用モデル多数) | 高い(Claude、Titan、Llamaなど) |
操作性 | GUI中心・ローコード開発に対応 | API主体・開発者向け |
ユーザー層 | 非エンジニア〜業務ユーザー | 開発者・エンジニア |
コンプライアンス対応 | Microsoft 365連携、ゼロトラスト設計 | AWS IAM、セキュリティ基準対応 |
Azure AI Foundryは、Microsoft製品との高い親和性により、既存のインフラやポリシーとの統合が容易です。
一方でAWS Bedrockは、モデル選定の自由度とAPIベースの柔軟な構築が可能で、開発チーム主体の利用に適しています。
Azure AI Foundryに関するよくある質問
Azure AI Foundryを検討・活用する中で、多くの企業が直面する共通の疑問があります。 特に「Copilotとの違い」や「Studioとの関係性」、さらに「安全性への懸念」などは、導入前にしっかり把握しておきたいポイントです。
本章では、そうした実務担当者や意思決定層から寄せられる代表的な質問を取り上げ、理解を深めるための情報をわかりやすく解説します。
Azure AIとCopilotの違いは何ですか?
Azure AIは開発者・企業向け、Copilotは業務ユーザー向けです。
Azure AIは、OpenAIモデルを含むさまざまなAI機能をクラウド経由で提供する開発基盤であり、カスタムAIアプリの構築や業務システムとの統合を目的としています。
一方、CopilotはMicrosoft 365に組み込まれた業務支援用のAI機能であり、WordやExcelなどのアプリ内で文章作成やデータ分析を効率化することに特化しています。 用途・対象ユーザー・活用範囲が異なるため、目的に応じて選ぶことが重要です。
azure ai studioとは何ですか?
Azure AI Studioは、Azure上でAIモデルの選択、テスト、チューニング、導入までを一括で行えるGUIベースの統合開発環境です。
特に、ノーコードまたはローコードでの開発が可能で、データサイエンティストやAIエンジニア以外のユーザーでも直感的にAI活用が始められるよう設計されています。
Azure AI Foundryは安全なの?
Azure AI Foundryは安全に利用できます。
Microsoftが提供するこのプラットフォームは、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいて設計されており、エンタープライズ利用を前提とした高度なセキュリティ対策が施されています。
具体的には、通信や保存データの暗号化、アクセス制御、監査ログの記録・管理機能が組み込まれており、各企業のセキュリティポリシーにも柔軟に対応可能です。
これにより、社内情報や顧客データを扱うAI開発・運用にも安心して導入できます。
まとめ
本記事では、Azure AI Foundryの基本概要から主な機能、メリット、使い方、料金体系、他サービスとの違い、よくある質問までを網羅的に解説しました。
Azure AI Foundryは、最新のAIモデルを安全かつ効率的に活用できるエンタープライズ向けの統合プラットフォームです。ローコード対応やMicrosoft製品との高い親和性により、開発リソースが限られた現場でもスピーディなAI導入を可能にします。
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