チャットボット導入ガイド|8つのステップとおすすめサービス・注意点を解説
チャットボットを導入する企業が年々増えています。
「チャットボットを導入したいけど、どのように進めたらいいかわからない」「どのような導入の仕方があるかわからない」チャットボットの導入に関して悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、目的別に成功したチャットボットの導入事例を紹介し、導入までの手順を解説します。
検討する段階から設置方法まで詳しくお伝えしますので、チャットボット導入を検討中の方は、是非最後までご覧ください。
また、弊社では「AI使いたいが、どのような適用領域があるのかわからない…」「AI導入の際どのサービス提供者や開発企業を組めばいいかわからない…」という事業者の皆様に、マッキンゼーやBCGで生成AIプロジェクトを経験したエキスパートが完全無料で相談に乗っております。
興味のある方はぜひ以下のリンクをご覧ください:
代表への無料相談はこちら

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
チャットボットとは?
チャットボットとは、人工知能を活用してユーザーとの会話を自動化するシステムです。ウェブサイトやアプリ上で、ユーザーからの質問やリクエストに対して即座に応答し、情報提供や問題解決をサポートします。
チャットボットは、ユーザーからの要件をデータ化して学習するともに今後のユーザー対応の精度を高めることが可能です。企業は顧客対応の効率化やサービス向上を実現できます。
チャットボット導入によって得られる効果
チャットボットを導入することで得られる効果として以下の3つの項目をあげます。
順に説明します。
顧客満足度の向上
チャットボットを導入することで、顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応できます。電話やメールでの応対は返答までに時間を要するところチャットボットはその場ですぐレスポンスを得られます。
これにより、顧客は必要な情報を即座に得られるため、満足度が向上します。
業務効率化とコスト削減
チャットボットは、定型的な問い合わせや対応を自動化することで、従業員の負担を軽減します。
コールセンターなどで従業員を雇う稼働時間分の給料の負担が発生する上、研修などの手間も必要となります。この業務をチャットボットに置き換えることで、業務の効率化とコスト削減が可能です。
コンバージョン率の向上
コンバージョンとは、ユーザーがサイトでの商品購入や契約などの掲載企業側で求める行動を行うことです。
ウェブサイト上でチャットボットを活用することで、ユーザーとのコミュニケーションの結果サービスに対する関心が高まります。これにより、ユーザーの購買意欲を喚起し、コンバージョン率の向上に寄与するのです。
チャットボット導入の成功事例【目的別】
チャットボットの導入により、企業は顧客満足度の向上や業務効率化、コスト削減を実現しています。
以下に、目的別の成功事例をご紹介します。
顧客満足度の向上
以下の企業はチャットボット導入により顧客満足度を向上させることができた事例です。
株式会社Aコープ東日本
株式会社Aコープ東日本は、コロナウィルスの影響で問い合わせが増加したことの対策としてチャットボットを導入しました。
結果、顧客からの問い合わせ対応時間を大幅に短縮しました。顧客満足度が上がったのみならず、顧客の抱えるニーズを把握でき業務の改善が図れたのです。
資生堂ジャパン株式会社
資生堂ジャパン株式会社では、チャットボットを活用して、LINEのお客様サポートアカウントでの問い合わせを24時間体制で提供しています。
チャットボットによる購入サポートや美容相談などのパーソナルな相談が可能です。これにより、顧客の利便性が向上し、ブランドイメージの強化に寄与しています。
業務効率化とコスト削減
業務を効率よく行いコストが減った結果成功した事例です。
株式会社快活フロンティア
株式会社快活フロンティアは、24時間有人での顧客対応を実施していました。しかし、早朝や深夜の問い合わせの処理が追い付かないという状況に陥りました。
そこで、チャットボットを導入した結果AIの学習機能や処理能力で問い合わせ業務がスムーズに行われました。人員を増やすことなく顧客満足が実現できたのです。
日清製粉グループ本社
日清製粉グループ本社では、社内の人事関連の問い合わせ対応にチャットボットを導入しています。
グループウェア、就業規則、マニュアルなどをチャットボットに登録することで手軽に運用が実現できました。また、人的リソースの最適化とコスト削減という結果にもつながったのです。
コンバージョン率の向上
次の2つの企業ではユーザーのサイトでの購買や契約の獲得率を高めたことで成果を出しています。
楽天市場
楽天市場では、チャットボットを全店舗に導入し、問い合わせ対応を効率化しています。メール、電話で行っていた業務が時短で手軽になりました。
よくある質問からユーザーの質問のヒアリングを自動で行うのがポイントです。結果、ユーザーの利便性が向上し、コンバージョン率の増加が実現されています。
CHINTAI
CHINTAIでは、チャットボットを活用してユーザーの物件探しをサポートしています。
AIの学習能力によりユーザーの求める情報を正確に提供することが可能です。ユーザーの関心に合わせた物件情報を提供することで、コンバージョン率の向上を達成しています。
チャットボット導入の8つの手順
チャットボットの導入は、以下の8つのステップを踏むことで効果的に進められます。 目的の明確化から運用開始まで、順に見ていきます。
ステップ1:導入目的を明確化
まず、チャットボット導入の目的を明確に定めます。目的が不明確だと、期待通りの効果が得られない可能性があるからです。
現在の業務を視覚化して、具体的に問題点を洗い出すことから始めます。顧客対応の効率化や24時間対応の実現など、具体的な目標を設定することが重要です。
ステップ2:設置場所の決定
次に、チャットボットをどのプラットフォームに設置するかを決定します。Webサイト、SNS、社内用チャットツールなど、ユーザーが場所を認知しやすい場所を選びます。
また、チャットツールにアクセスするまでのプロセスが複雑すぎないかも検討項目の1つです。
ステップ3:開発プロジェクト体制の整備
チャットボット導入後の開発・運用を円滑に行うため、運用担当者や体制を整備します。チャットボットは長期的に運用することが多いです。
専任の担当者を任命し、運用・管理の責任範囲を明確にすることで、効果的な運用が期待できます。
ステップ4:チャットボットツールの選定
導入目的や必要な機能を踏まえ、最適なチャットボットツールを選定します。チャットボットツールを提供している業者も数百社以上から1つに絞るのは大変です。
AI搭載のものや、特定のプラットフォームに特化したものなど、さまざまな種類があり費用面での検討も必要となります。数社候補を出して問い合わせてみるのもいいです。
ステップ5:シナリオ設計とFAQ作成
ユーザーからの問い合わせに適切に対応するため、シナリオ設計やFAQの作成を行います。
特にAI非搭載のモデルは事前に質問を覚えさせる必要があるためこの作業が必須です。ユーザーのニーズや質問を想定し、適切な回答を準備することで、満足度の高い対応が可能となります。
ステップ6:チャットボットの学習
AI搭載のチャットボットの場合、ユーザーとの対話を通じて学習させることが重要です。常に知識の習得状況を把握するとともに追加で情報を付加する必要があるかを検討します。
定期的な学習とデータの更新により、精度の高い対応が期待できます。
ステップ7:テスト運用
本格運用前に、テスト運用を実施します。確認するべき項目をチェックリスト形式で用意しておくとスムーズです。
シナリオ通りに動作するか、ユーザーからの問い合わせに適切に対応できるかを確認し、必要な修正や改善を行います。
ステップ8:本番運用開始
テスト運用での問題点を解消した後、正式に本番運用を開始します。
運用開始後も、ユーザーの反応やフィードバックをもとに、継続的な改善を行うことで、より効果的なチャットボット運用が可能となります。
チャットボット導入支援・サービス比較
以下は、主要なチャットボットサービスを比較した内容です。
各サービスの特徴や料金体系を参考に、導入目的に合ったツールを選ぶ際の指針として活用できます。
チャットボットサービス一覧表
チャットボットを提供している主な業者を表にしました。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 主な特徴 | 導入企業例 |
SupportChatbot(サポートチャットボット) | 2,3万円~ | 非公開 | ・高精度なAI搭載・LINE、Slackなど14のアプリケーションとの連携 | 東急ハンズ、オリックス自動車など |
Chat Plus(チャットプラス) | 無料 | 1,500円~ | ・低価格の5 つの料金プランから選択可能・初心者向けサポートが充実 | コンコーズ、日本航空(JAL)など |
Sinclo | 無料 | 9,480円~ | ・ノーコードで簡単設定・ FAQデータの一括インポートやフローチャート形式のシナリオ作成が可能 | 800社以上 |
IZANAI | 無料 | 無料、有料プランから選択可能(有料プランは要相談) | ・ChatGPTによる会話フローの自動生成機能・CRMやSlackとの連携 | 1,500社以上 |
RICOH Chatbot Service(リコー チャットボット サービス) | 5,000円 | 18,000円~ | ・Excelテンプレートで簡単にQ&A作成・レポーティング機能が充実 | 佐川グローバルロジスティクスなど |
選定ポイント
チャットボットサービスを選定するポイントを3つあげます。
- 導入目的(顧客対応、マーケティング、社内業務など)に合わせた機能を確認
- 初期費用やランニングコストを考慮し、予算に合ったサービスを選択
- 外部ツールとの連携やサポート体制も重要な比較要素
これらを基に、自社ニーズに最適なチャットボットを選定してください。
チャットボット導入にかかる費用相場
チャットボット導入の費用は、種類や機能、カスタマイズの程度によって大きく異なります。以下に、主要な費用項目とその相場を示します。
初期費用
初期費用は、システムの複雑性やカスタマイズの程度によって異なります。
ルールベース型(シナリオ型・辞書型)
ルールベース型の場合は無料~10万円程度となります。
AI型(機械学習搭載)
AI搭載のチャットボットだと30万円~200万円程度です。
月額運用費用
月額運用費用は、システムの種類や提供されるサポート内容によって変動します。
ルールベース型(シナリオ型・辞書型)
ルールベース型だと月額5,000円~5万円程度が目安です。
AI型(機械学習搭載)
AI型搭載型の場合は月額10万円~50万円程度が相場となります。
カスタマイズ・オプション費用
追加機能やカスタマイズにより、費用が発生する場合があります。
サービスにより費用も異なりますので具体的な費用は提供元に確認ください。
Q&A作成代行
ユーザーからの問い合わせに適切に対応するため、シナリオやQ&Aの作成が必要です。
特に、ルールベース型の場合やユースケースが煩雑な場合は綿密な作業が必要となり時間もかかります。
チャットボットのサービス企業などに発注すると短時間で必要事項を網羅したQ&Aを作成できます。
有人対応機能(オペレーター切り替え)
チャットボットから有人対応への切り替え機能を追加することで、複雑な問い合わせにも対応可能となります。設計時点でチャットボットで処理する範囲を設定することも欠かせません。
採用するモデルにかかわらず、すべてチャットボットに任せることは難しいです。この機能の導入には、追加費用が必要です。
他システムとの連携(CRMやAPIなど)
既存のCRMシステムやAPIとの連携により、チャットボットの機能を拡張できます。CRMやAPIを連携することで顧客情報を取得したり地図などを利用することが可能です。
実際にこれらを実行することで顧客満足度が上がった例も多数あります。
導入前にこれらの費用項目を明確に把握し、自社のニーズや予算に合わせたチャットボットを選定することが重要です。
チャットボット導入でありがちな失敗
チャットボット導入時にありがちな失敗を事前に把握しておくことで、適切な導入推進が可能です。
チャットボットの運用の落とし穴と言われる3つの項目「目的の不明瞭さ」「設計の不十分さ」「運用の放置」についてご紹介します。
1. 目的の不明瞭さ
導入目的が明確でないままチャットボットを導入すると、期待した効果が得られず、業務効率化どころか混乱を招く可能性があります。
チャットボット導入を含めてプロジェクトの成功にはゴール設定が不可欠です。
2. 設計の不十分さ
ユーザーのニーズや操作性を考慮しない設計は、チャットボットの利用率低下や効果の減少を招きます。
設計にコストやスケジュールを割くことをおろそかにすることはあってはなりません。チャットボット導入には全体像の十分な構築が要です。
3. 運用の放置
導入後のメンテナンスや分析を怠ると、回答精度の低下やユーザー満足度の低下を招きます。
チャットボットの監視、見直しは重要な業務の1つです。運用を開始した時からチャットボットの働きに対して人の目によるチェックの必要は発生しています。
まとめ
チャットボットは、企業のHPやLINEなどのユーザーとのコミュニケーションに役立つツールです。
導入には、種類の選定や体制の準備などの手順が必要となりますけど最終的には人の労働力によって行っていた業務の負担を軽減することが目的です。
適切なチャットボットの選択をすることで、業務を効率化を目指してみてはいかがでしょうか。
AIサービス導入のご相談は AI導入.com へ(完全無料)
- マッキンゼー出身の代表による専門的なアドバイス
- 日本・アメリカの最先端AIサービスの知見を活用
- ビジネスの競争力を高める実践的な導入支援