CNNとは?機械学習や深層学習との違い、実装方法まで徹底解説

最終更新日: 2025-04-10

この記事では、CNNの基本的な仕組みや構造をわかりやすく整理しながら、CNNと機械学習、ディープラーニング、さらにはDNNやRNNといった似ている用語との違いやPythonでの実装方法についても解説していきます。

「CNNが何を指すのか理解したい」「機械学習やディープラーニングなどの似た用語との違いを明確に知りたい」「実際にCNNを活用する方法や事例を具体的に学びたい」といったニーズをお持ち方は、是非最後までご覧ください。

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仲 思成
監修者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

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CNNとは?

CNNとは?
出典:https://ai-market.jp/purpose/image-recognition-cnn/

CNNは、畳み込み演算を活用して特徴抽出を効率的に行うニューラルネットワークの一種です。

本項ではまず、その基本概念を整理し、機械学習や他の深層学習手法との違いを確認します。

具体的には、画像などの入力データから効果的に特徴を捉える仕組みや、従来手法と比較した際の優位性を明確にしていきます。

CNNと機械学習の違い

CNNと機械学習の違いイメージ
Claudeで作成

CNNは機械学習のフレームワークに含まれますが、人手による特徴量設計が中心の従来型手法と異なり、自動的に特徴抽出を行える点で大きく異なります

具体的には、畳み込み層を通じてフィルタを学習し、画像のエッジや模様などを捉えることで、高い識別精度を実現できます。

さらに、大量のデータと計算資源を活用することで、従来の機械学習よりも汎用性が高いモデル構築が可能です。

CNNとディープラーニングの違い

CNNとディープラーニングの違いイメージ
Claudeで作成

CNNはディープラーニングに分類されるモデルですが、特に畳み込み層とプーリング層を活用することで、大規模な画像や時系列データを扱う際に効率的に特徴を抽出できます

ディープラーニング全般としては、多層のニューラルネットワークを指し、データから階層的に特徴を学習するという点で共通性があります。

CNNの強みは空間的情報に着目し、パラメータ数を削減しながら高い性能を発揮できる点にあります。

CNNとDNNの違い

CNNとDNNの違いイメージ
Claudeで作成

CNNはDNN(Deep Neural Network)の一形態でありながら、畳み込み演算やプーリングを導入することで、画像などの二次元構造を効率よく扱える点が特徴です。

DNNが全結合層を重ねて複雑な関数近似を行うのに対し、CNNは局所受容野や重み共有を活かしてパラメータ数を抑えつつ高精度化を狙えます。

そのため、視覚的タスクに対しては従来のDNNを大きく上回る成果を上げています。

CNNとRNNの違い

CNNとRNNの違いイメージ
Claudeで作成

CNNとRNNはいずれもニューラルネットワークの一種ですが、扱うデータ構造に違いがあります。

CNNは画像のように空間的に配置された情報を得意とし、局所的な特徴抽出に優れています

一方、RNN(リカレントニューラルネットワーク)は連続する時系列データを処理し、前後の文脈を踏まえて予測を行うのが強みです。

用途に応じて最適なアーキテクチャを選択することが重要です。

CNNの仕組み・構造

CNNの仕組みイメージ
Claudeで作成

CNNは畳み込み層で段階的に特徴を抽出し、活性化関数で非線形性を付与し、プーリング層で情報を圧縮することで高い識別性能を実現します。

最終的に、全結合層で分類などのタスクを行うため、局所受容野や重み共有のメリットを活かしながら、効率的かつ高精度なモデルを構築できる点が特長です。

以下、各層の詳細と機能について解説します。

畳み込み層

畳み込み層は、入力データに対して小さなフィルタをスライドさせながら演算し、エッジや模様などの局所的パターンを強調して特徴マップを生成します。

この操作によって、画像全体を一括りに扱うのではなく、部分的な領域に注目して重要な情報を抽出できます。

カーネルサイズやストライドなどの設定値を調整することで、多様なスケールやパターンに対応可能です。

活性化関数

活性化関数は、ネットワークに非線形性を与え、より複雑なパターンを学習できるようにする重要な要素です。

一般的にはReLUが多用され、負の値をゼロにして勾配消失を緩和し、学習を安定化させます。

シグモイドやtanhも利用可能ですが、深い層では勾配が消失しやすいため、近年はReLU系の活性化関数が主流です。

適切な選択により、モデルの性能が大きく変わる点に注意が必要です。

プーリング層

プーリング層は、畳み込み層によって得られた特徴マップの空間サイズを縮小し、計算量を抑えつつ局所的特徴を集約する役割を担います。

最大プーリングでは領域内の最大値を、平均プーリングでは平均値を取得し、位置ずれに対してある程度の頑健性を保ちます。

プーリングのカーネルサイズやストライドの設定は、特徴抽出の粒度と計算負荷のバランスに直結するため慎重な調整が必要です。

全結合層

全結合層は、畳み込みやプーリングで抽出された特徴を最終的なタスクに結びつける重要なステージです。

すべてのノードが前段のノードと結合するため、グローバルな相関を学習できますが、パラメータ数が膨大になる点には注意が必要です。

一般には、数層の全結合層とソフトマックスなどの活性化関数を組み合わせることで、分類や回帰といった最終出力を得る構成が多用されます。

局所受容野と重み共有のメリット

局所受容野と重み共有を組み合わせることで、CNNは高次元データを効率的に扱うことができます

局所受容野によって入力の一部領域だけを処理するため、必要なパラメータ数を削減しつつ、要所となる特徴を細かく抽出できます。

さらに、同じフィルタを画像全域で適用する重み共有の仕組みが、異なる場所で生じる類似パターンの学習を容易にし、高い汎用性をもたらします。

CNNの実装方法

実装イメージ
Claudeで作成

CNNを実装する際は、PyTorchなどの深層学習フレームワークを活用することで、比較的少ないコード量で高性能なモデルを構築可能です。

本節では、Pythonを用いたシンプルな例を示し、畳み込み層やプーリング層、全結合層などの基本的な構成要素の組み方を紹介します。

PythonでのCNN実装(PyTorchを用いた例)

PyTorchを使えば、クラスとしてモデルを定義し、損失関数や最適化手法と組み合わせるだけで、CNNをすぐに学習させられます。

以下のコード例では、3チャネル入力(RGB画像)から始まり、Conv2dやMaxPool2dを経て、Linear層で最終分類を行う単純なネットワークを示しています。

クロスエントロピー損失とAdamオプティマイザを使うことで、効率良くパラメータを更新できます。

import torch
import torch.nn as nn
import torch.optim as optim

class SimpleCNN(nn.Module):
    def __init__(self):
        super(SimpleCNN, self).__init__()
        self.conv1 = nn.Conv2d(3, 16, kernel_size=3, padding=1)
        self.pool = nn.MaxPool2d(2, 2)
        self.fc = nn.Linear(16*16*16, 10)

    def forward(self, x):
        x = self.pool(torch.relu(self.conv1(x)))
        x = x.view(-1, 16*16*16)
        x = self.fc(x)
        return x

model = SimpleCNN()
criterion = nn.CrossEntropyLoss()
optimizer = optim.Adam(model.parameters(), lr=0.001)

画像認識におけるCNNの活用例

活用例イメージ
Claudeで作成

CNNは、画像分類や物体検出、セグメンテーションなど多様なタスクに応用され、従来の手法と比べて格段に高い性能を示します。

たとえば、ImageNetのコンペティションをきっかけに登場したAlexNetやVGG、ResNetなどが、層を深くすることで表現力を高めるアプローチを確立しました。

これらを応用し、医療画像解析や自動運転などの分野でも幅広く利用されています。

実世界でのCNNの応用事例

応用事例イメージ
Claudeで作成

実世界では、CNNの応用範囲は画像解析を超えて広がっています

自然言語処理においては、文をCNNで処理する手法も存在し、畳み込みでフレーズ単位の特徴を捉えることが可能です。

さらに、時系列データでも、1次元畳み込みを利用する例が増えており、金融データやセンサーデータの解析にも大きな効果を発揮します。

医療現場ではX線画像やMRI、CTなどの診断支援に導入され、専門家の判断を補完する有力なツールとなっています。

まとめ

CNNは、畳み込み演算による効率的な特徴抽出と、重み共有や局所受容野の仕組みにより、画像認識を中心としたさまざまな分野で大きな成果を上げてきました。

本記事では、機械学習との位置づけやディープラーニングの一分野としての関係、具体的な層構造や実装例、さらには応用事例を紹介しました。

高い計算資源を要する一方で、得られる性能や拡張性は非常に高く、今後も引き続き研究・産業の両面で注目を集める技術といえます。

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