Cohere(コヒア)とは?特徴・使い方・料金を企業向けに徹底解説

最終更新日: 2025-05-14

生成AIの導入を検討する企業にとって、精度・多言語対応・導入しやすさは重要な判断基準です。

Cohere(コヒア)は、OpenAIとは異なる「業務特化型」の生成AIとして注目を集めており、API設計のシンプルさや社内検索への強さが高く評価されています。

本記事では、Cohereの基本機能や料金、活用ステップまでをわかりやすく解説します。

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仲 思成
監修者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

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Cohere(コヒア)とは何か?

Cohereホーム画面
出典:Cohere公式サイト

Cohere(コヒア)とは、カナダ発の生成AIスタートアップで、ビジネス向けに最適化された大規模言語モデル(LLM)を提供する企業です。

Google出身のAI研究者らによって設立され、検索機能や自然言語処理に特化した高性能なモデル群を展開しています。

特に「Command」や「Embed」など、実務に役立つモデルの設計に強みがあり、API経由での導入が簡単な点や、多言語対応、商用利用の自由度が高いことも企業に評価されています。

OpenAIなどの汎用型モデルとは異なり、Cohereは業務プロセスの効率化やナレッジ検索など、ビジネス課題の解決に直結する生成AIを重視している点が特徴です。

Cohereが提供する主な生成AIサービス

Cohereはユースケースや業界に合わせて完全にカスタマイズ可能なAIがわかる画面
出典:Cohere公式サイト

Cohereでは、企業が直面する検索精度の向上や文書分類、テキスト生成といった多様な業務課題に対応するAIモデルを複数展開しています。 それぞれのモデルは明確な用途に特化して設計されており、目的に応じて選択しやすいのが特徴です。

本章では、自然言語生成を担う「Command」、多言語対応に優れた「Aya」、検索体験を高度化する「Embed・Rerank」、およびAPIの提供形式について解説します。

Commandモデルの構造

Commandモデルは、企業向けに設計された自然言語生成モデルで、FAQやナレッジベースなどの業務文書を一貫性のある出力で生成できる構造です。

高度な指示理解と文脈把握により、レポート作成社内チャットの自動応答など多様な業務に活用されています。 また、商用利用を前提に設計されており、安全性や正確性にも配慮されているのが特徴です。

Aya:100言語以上に対応するグローバルモデル

CohereのAyaモデル画面
出典:Cohere公式サイト

Ayaは、翻訳・生成・分類といった言語処理を、英語だけでなくアジア・中東・欧州など、100言語以上に対応するグローバルモデルです。

グローバル展開する企業においては、現地語での自動チャット対応やFAQ生成、社内マニュアルの翻訳など、多言語対応が求められるシーンで特に力を発揮します。

Embed・Rerankによる検索補完機能

Embed・Rerankは、文書検索クエリベクトル(意味を数値化した形式)に変換し、意味的に近い情報を抽出する検索補完機能です。

Embedが類似性の高い情報を抽出し、Rerankがユーザーの検索意図に合わせてより適切な順序に再評価・並べ替えを行います。

これにより、キーワード一致に依存しない高度な検索体験が実現でき、社内FAQやナレッジベースなどの業務用検索に最適です。

Cohere APIの提供形式

Cohere APIの提供形式はREST方式で、PythonやNode.js向けのSDKも公開されているため、幅広い開発環境で活用できます。

APIキーはダッシュボードから取得可能で、無料プランの範囲でもすぐに利用開始できます。 ドキュメントには具体的なプロンプト例やレスポンス形式が明記されており、開発者にとって導入しやすい構成です。

Cohereを使用するメリット5選

「Cohereは、21のLLMを対象にしたグローバル規模の評価プロジェクトに参加。1,500人以上による68,000件超の会話評価からも、実運用における精度の高さと多言語対応力が裏付けられています。
出典:Cohere公式サイト

Cohereは、生成AI市場でOpenAIやAnthropicとは異なる独自の立ち位置を築いています。

特に企業の業務課題に直結する機能群や、導入のしやすさ、セキュリティの明確さが評価されています。

本章では、Cohereがビジネス現場で選ばれる主な理由を5つに絞ってご紹介します。

OpenAIとは異なる「業務特化型」のポジション

Cohereは、業務文書・FAQ・ナレッジ管理などビジネス活用に特化した生成AIとして、OpenAIとは異なる「業務特化型」のポジションを確立しています。

ChatGPTのような会話主体ではなく、一貫性と信頼性が求められる社内業務用途に向けて最適化されている点が大きな特徴です。

社内検索の効率化に強いモデル群

Cohereは、Embed・Rerankなどの機能を活用し、社内検索の効率化に強いモデル群を提供しています。

単なるキーワード一致ではなく、意味的に関連性の高い情報を精度よく提示する設計により、FAQやナレッジベースの検索精度が大きく向上します。

API設計がシンプルで導入しやすい

Python SDKのインストール方法やコード例が掲載されている画面
出典:Cohere公式サイト

PythonNode.js向けのSDKが用意されており、開発者は少ないコード量で生成AIを組み込めるなど、CohereはAPI設計がシンプルで導入しやすい構造です。

REST形式に準拠したわかりやすいエンドポイント設計に加え、公式ドキュメントやサンプルコードも充実しており、初学者から実務開発者まで幅広く対応できます。

これにより、開発工数を抑えながらも高品質な生成AI機能の実装が可能です。

商用利用に最適なライセンスとセキュリティ

契約により生成物の著作権は利用者に帰属するため、商用プロダクト業務システムへの組み込みが可能です。

さらに、SOC 2やISO 27001といった国際的な認証にも対応しており、セキュリティ面でも信頼性が高いことから、商用利用に最適なライセンスとセキュリティが整備されています。

多言語対応

Cohereは欧米言語に加えて、日本語・中国語・アラビア語など100以上の言語に対応しており、多言語対応が大きなメリットです。

翻訳や分類、テキスト生成などの処理も高精度で行えるため、グローバル企業の業務や多国籍チームでの活用にも適しています。

Cohereの基本操作ガイド3ステップ【画面例付き】

Cohere 公式 Command R+ 紹介ページ
出典:Cohere公式サイト

Cohereを業務に導入するためには、公式サイトでのアカウント登録からAPIキーの取得、初期動作確認までをスムーズに行う必要があります。

本章では、初心者でも迷わず進められるよう、画面例付きで3つのステップに分けて解説します。 APIの基本的な使い方を理解することで、業務への実装がより現実的になります。

ステップ1|公式サイトで無料アカウント登録

Cohereの利用を開始するには、まず公式サイトで無料アカウント登録を行います。

公式ページ(https://cohere.com/**)にアクセスし、「**Get started」ボタンからメールアドレスまたはGoogleアカウントで登録できます。

「Get started」ボタンからメールアドレスまたはGoogleアカウントで登録する画面
出典:Cohere公式サイト

登録後は、確認メールにあるリンクをクリックしてアカウントを有効化してください。 メールの件名や差出人名も記載しておくと、読者が迷わず確認できます。

Verify your email」などのボタンがある画面
出典:Cohere公式サイト

ステップ2|ダッシュボードにログインしAPIキーを取得

アカウントが有効化されたら、CohereのダッシュボードにログインしてAPIキーを取得します。 画面右上のアカウントアイコンをクリックし、「API keys」セクションを開くと、初期発行されたキーが表示されます。

アカウントアイコンが見えている状態。マウスオーバーで「API keys」セクションが開いている画像
出典:Cohere公式サイト

このキーは、後続のAPIリクエスト時に認証情報として使用します。 他人に漏れないよう、大切に保管してください。

ステップ3|サンプルコードで動作確認

取得したAPIキーを使って、サンプルコードで動作確認を行います。 Cohere公式のQuickstartページ(https://docs.cohere.com/reference/about)には、PythonやNode.jsなど**言語別のコード例**が掲載されています。

CohereのPythonコード例。co.chat()関数を用いて、自然言語生成モデル 'command-a-03-2025' に対して 'I'm joining a new startup called Coit today.' というユーザーメッセージを送信し、生成されたテキストを print()で出力するシンプルなサンプルコード。

以下は例として、Pythonコードの一部です。

python

import cohere
co = cohere.Client('your-api-key')
response = co.generate(
    model='command-xlarge-nightly',
    prompt='AIでできることを教えて',
    max_tokens=100
)
print(response.generations[0].text)

レスポンスが正常に返ってくれば、APIが正しく機能していることが確認できます。 この手順で初期動作をチェックすることで、以降の開発もスムーズに進められます。

Cohere の料金プラン

Cohere の料金プラン画面
出典:Cohere公式サイト

Cohere の料金プランは主に以下の3つに分類されており、それぞれの利用目的や規模に応じて選べます。

プラン名 料金 商用利用 APIコール上限 課金タイミング 主な用途
トライアルプラン 無料 × 月1,000回程度 課金なし テスト・学習用途
プロダクションプラン 従量課金(使用量に応じて) 上限なし(高リクエスト対応) 月末 or 残高250ドル到達時に課金 商用アプリ・中規模システム
エンタープライズ 要問い合わせ 要相談 カスタム契約により設定 大規模業務・専用環境

※エンタープライズプランは、利用規模・用途・セキュリティ要件に応じて個別にカスタマイズされるため、料金や上限は「要相談」となります。大規模導入を検討している場合は、公式サイトより直接お問い合わせください。

用途・条件別おすすめプラン

・価格を抑えて試したい方  →「トライアルプラン」がおすすめです。無料で月1,000回まで利用でき、初期検証や学習用途に最適です。

・中規模な商用サービスで使いたい方  →「プロダクションプラン」がおすすめです。商用利用可能で、従量課金制により柔軟に運用できます。

・大規模な検索・業務導入をしたい企業向け  →「エンタープライズプラン」がおすすめです。専用環境構築やSLA対応など、業務要件に応じた設計が可能です。

Cohere利用時の注意点

Cohere API エラー(ステータスコードと説明)
出典:Cohere公式サイト

Cohereを業務に導入する際には、ログイン時やAPI利用時のエラーに直面するケースも少なくありません。特に初期設定やアカウント操作に不慣れな場合、スムーズな対応ができるかどうかが重要になります。

本章では、ログイン時に起こりやすいトラブルへの対処法と、API利用中発生しやすいエラーへの対応策について解説します。

Cohere ログイン時のトラブル対策

Cohere ログイン時のトラブル対策は、Cohere公式のヘルプセンターにある「Troubleshooting Login Issues」セクションを確認するのが有効です。

 ヘルプガイドのURL:https://docs.cohere.com/docs/account-and-authentication

このページでは、パスワードのリセット方法やアカウント認証メールが届かない場合の対処についても詳しく解説されています。

それでも解決しない場合は、ページ最下部にあるサポートへの問い合わせフォームから、登録メールアドレスとトラブル内容を記載して問い合わせることができます。

API利用時のエラーと解決策

API利用時のエラーと解決策は、公式ドキュメントの「Common Error Codes」ページを参照することで確認できます。

とくに多いのは「401 Unauthorized(認証エラー)」と「429 Too Many Requests(リクエスト上限超過)」です。

APIキーの入力ミスや短時間での過剰リクエストが原因となるため、キーの再確認や送信頻度の見直しで多くのエラーは回避できます。

詳細なコードと対処方法は、以下の公式ページにまとめられています。

https://docs.cohere.com/docs/error-codes

まとめ

寒色系の近未来的なオフィスで、生成AIの導入を検討しているビジネスマンたちが、透明なディスプレイを見ながら会話している様子。無機質でデジタルな企業の雰囲気が感じられる。

Cohereは、自然言語生成に特化した業務向け生成AIプラットフォームとして、企業の情報活用を支援する多彩な機能を備えています。 社内FAQやナレッジベース、検索機能の最適化、多言語対応の顧客サポートなど、実務レベルでの導入に耐える高い性能と柔軟なAPI設計が特徴です。

さらに、商用利用に適したライセンス体系やセキュリティ面の配慮も整っており、安心して業務システムへ組み込める環境が整っています。

これまでChatGPTや他社LLMに触れてきた方も、「業務で本当に使える生成AI」を求めるなら、Cohereの導入を検討する価値は十分にあります。

公式サイトから無料トライアルを始めることもできるため、まずは一度、実際に動かして体感してみることをおすすめします。

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