DeepSeek日本語版の精度は?ブラウザ・スマホ・ローカルでの使い方も解説

最終更新日: 2025-04-07

近年、大規模言語モデル(LLM)の需要が急速に高まる中で注目を集めている、中国・杭州市のAI企業「DeepSeek」。

そんなDeepSeekは日本語モデルの開発にも注力しており、高い性能とコスト効率を両立させています。

本記事では、DeepSeekの概要をはじめ、「日本語モデル」の開発背景や日本語精度、ブラウザ/ローカルそれぞれでの利用方法を詳しく紹介します。

DeepSeekの日本語での使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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仲 思成
監修者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

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DeepSeekとは?

DeepSeek HP
出典:DeepSeek HP

DeepSeekは、中国の杭州市に拠点を置くAI企業で、2023年に設立されました。​同社は高性能かつコスト効率に優れた大規模言語モデル(LLM)を提供し、特に推論能力に特化したモデル「DeepSeek-R1」で注目を集めています。

​OpenAIの「o1」モデルと同等の性能を持ちながら、開発コストを大幅に抑えたことで、AI業界に革新をもたらしています。 ​ ​

またオープンソースモデルなので、オンプレ運用で機密情報を外に出さずに使いたい企業や、論理的推論が得意なAIを探している教育機関にとって有力な候補となっています。

DeepSeekの最新モデル「R1」の概要

DeepSeekの「R1」モデルは、数学やコーディング、論理的推論のタスクにおいて高い性能を発揮するよう設計されています。

​ベンチマークテストでは、OpenAIの「o1」モデルと同等の精度を示しながら、開発コストは約96%低く抑えられています。​また、最大128Kトークンの長文脈処理能力を持ち、大量のデータや長文タスクにも対応可能です。 ​

DeepSeekの日本語モデルとは?

DeepSeekは、英語以外の言語対応を進めており、日本語モデルの開発も行っています。​日本語モデルは、DeepSeek-R1を基盤としており、日本語の自然言語処理タスクにおいて高い性能を目指しています。

そのため、日本語圏のユーザーや企業もDeepSeekの技術を容易に活用することが可能です。​

​現在、日本語モデルはベータ版として提供されており、フィードバックを収集しながら精度向上を図っています。​

日本語モデルの開発経緯

日本語モデルが開発されている理由は、DeepSeek社が日本市場の重要性を認識し、日本語の自然言語処理の需要に応えようとしている点にあります。

DeepSeekはグローバルな市場展開を視野に入れて多言語対応を進めており、日本を重要な開拓市場の1つと位置付けているため、専用モデルの開発を行っていると言われています。

DeepSeek日本語モデルの精度は?

DeepSeekの日本語モデルは、一般的な自然言語処理タスクにおいて高い精度を示しています。​

例として、「日本のAI市場の今後5年の変化は?」とDeepSeekに聞いた時の回答をご紹介します。

このように、極めて自然な言語のレベルで回答することが可能です。

一方で専門用語や複雑な文脈における理解度には課題が残っていると言われており、専門的な分野や方言への対応などはさらなる精度向上が求められています。​​

今後、ユーザーからのフィードバックを基に、モデルの改善が進められる予定です。​

DeepSeek日本語モデルの利用方法【ブラウザ編】

手順1:アカウントの作成

  1. DeepSeekの公式サイトにアクセスします。
  2. メールアドレスや携帯電話番号を使用してアカウントを作成します。

手順2:日本語での利用

  1. ログイン後、日本語で質問や指示を入力します。
  2. DeepSeekが入力内容を解析し、適切な回答や生成物を提供します。

ブラウザ版利用時の注意点

ブラウザ版を利用する際の注意点として、ビジョン(画像認識)機能が制限されている場合があります。

画像認識をメインで使用することを想定している場合は、他のモデルの利用を検討してください。

DeepSeek日本語モデルの利用方法【スマホ編】

ImageFXで作成

DeepSeekをスマホで利用するには、DeepSeekアプリを使います。

  1. DeepSeekの公式サイトにアクセスし、「Get DeepSeek App」をクリックして、App StoreまたはGoogle Playからアプリをダウンロードします。

  2. アプリを起動し、メールアドレスや電話番号で登録を行います。

  3. 登録後は、プロンプトを日本語で打つことで日本語での利用が可能です。 日本語で使用している場合は、画面表示がそのまま日本語となります。

DeepSeek日本語モデルの利用方法【ローカル編】

DeepSeekの日本語モデルは、ローカル環境でも使用することができます。そのためには適切なハードウェアとソフトウェア環境の構築が必要です。​以下に、必要な要件と手順を説明します。​

必要なハードウェア・ソフトウェア

DeepSeekの日本語モデルを動作させるためには、以下のハードウェアとソフトウェアが必要です。​

  • ハードウェア:​高性能なGPU(例:NVIDIAの最新モデル)、十分なメモリ容量(最低16GB以上)​
  • ソフトウェア:​Python環境、DeepSeekのモデルファイル、関連するライブラリ(例:PyTorch)​

日本語モデルを動作させるための必要VRAM

DeepSeekの日本語モデルを動作させるには、最低でも16GBのVRAMを搭載したGPUが推奨されます。​モデルのサイズや処理内容によっては、より多くのVRAMが必要となる場合があります。

​特に、大規模なデータセットや複雑なタスクを扱う場合は、24GB以上のVRAMを持つGPUが望ましいです。

Windows・Macでの環境構築の違い

WindowsとMacでのDeepSeek環境構築には、主にソフトウェアのインストール手順に違いがあります。

​Windowsでは、NVIDIAのGPUを利用するためにCUDAやcuDNNのインストールが必要です。

​一方、MacではMetal APIを利用するため、対応するライブラリのインストールが求められます。​また、MacのM1チップでは、ARMアーキテクチャに対応したライブラリが必要となります。​

DockerでDeepSeekを動かす方法

Dockerを活用することで、DeepSeekの日本語モデルを簡単に導入・実行できます。​Dockerはコンテナ技術を利用しており、環境の依存性を排除し、再現性の高い環境構築が可能です。

​以下に、Dockerを使用したDeepSeekの導入手順を説明します。​

  1. Dockerのインストール:​公式サイトからDockerをダウンロードし、インストールします。​
  2. Docker Composeファイルの作成:​DeepSeekのWeb UIを立ち上げるための設定ファイル(docker-compose.yml)を作成します。​
  3. コンテナの起動:​作成したDocker Composeファイルを使用して、DeepSeekのコンテナを起動します。​
  4. Webブラウザでアクセス:​ブラウザで指定したポートにアクセスし、DeepSeekのWeb UIを利用します。​

Hugging Face TransformersでDeepSeekを実装する方法

Hugging FaceのTransformersライブラリを利用することで、DeepSeekの日本語モデルを簡単に導入・活用できます。​Transformersは、様々な言語モデルをサポートしており、DeepSeekもその一つです。​

以下に、Hugging Faceを使ったDeepSeekの導入手順を説明します。​

  1. Transformersのインストール:​Python環境でpip install transformersを実行し、ライブラリをインストールします。​
  2. モデルのダウンロード:​Hugging FaceのモデルリポジトリからDeepSeekの日本語モデルをダウンロードします。​
  3. モデルのロード:​TransformersのAutoModelAutoTokenizerを使用して、モデルとトークナイザーをロードします。​
  4. 推論の実行:​ロードしたモデルを使用して、テキスト生成や分類などのタスクを実行します。​

Ollama + PythonでDeepSeekを動かす方法

Ollamaは、ローカル環境で大規模言語モデルを実行するためのオープンソースツールです。​Pythonと組み合わせることで、DeepSeekの日本語モデルを簡単に実行できます。

​以下に、OllamaとPythonを活用したDeepSeekの導入手順を説明します。

  1. Ollamaのインストール:​公式サイトからOllamaをダウンロードし、インストールします。​
  2. モデルのダウンロード:​Ollamaを使用して、DeepSeekの日本語モデルをダウンロードします。​
  3. Python環境の設定:​PythonでOllamaのAPIを利用するためのライブラリをインストールします。​
  4. モデルの実行:​Pythonスクリプトを作成し、OllamaのAPIを通じてDeepSeekモデルを実行します。​

DeepSeek日本語モデルの活用方法例

DeepSeekの日本語モデルは、以下のような用途で活用が期待されています。​

コーディング支援

Deepseek日本語モデルは、コードの補完、デバッグ、エラーメッセージの解釈などをサポートし、開発者の作業を効率化します。

また、最適なアルゴリズムや関数の提案を行い、コーディング品質を向上させます。

数学的推論

DeepSeekは数学的な問題を迅速に解決できます。微積分や統計学の計算、問題の解法を段階的に提示し、理解を深めながら解答を導きます。

また、実世界のデータ解析にも活用することが可能です。

コンテンツ生成

DeepSeekはブログ記事や広告、ニュースなどのコンテンツ生成をサポートします。テーマやキーワードに基づき、自然で流暢な文章を作成し、SEOにも強いコンテンツを提供します。​

翻訳と字幕生成

​多言語対応により、国際的なコミュニケーションをサポートし、ビジネスやエンターテインメント分野での利用が期待されます。​

日本語と他言語間で高精度な翻訳を行い、映画や動画コンテンツの字幕生成にも対応します。多言語コンテンツを迅速に作成し、国際的な視聴者向けに活用することが可能です。

まとめ

ImageXで作成

DeepSeekの日本語モデルはコストを抑えつつGPT-4級の論理推論を導入できる選択肢といえます。

ただし政治的バイアスや応答速度、ハルシネーション対策などの課題もあるため、実運用では独自調整や外部知識との組み合わせが重要です。

モデルの強み、課題を理解した上で、ビジネスやプライベートでぜひ活用してみてください。

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