GPT-4.5とは?ChatGPT新モデルの特徴・性能比較を徹底解説
OpenAIが開発した次世代言語モデル「GPT-4.5」がついに正式リリースされました。本記事では、2025年4月時点で判明しているGPT-4.5の特徴や性能、競合モデルとの違いなど、ビジネス活用の観点から重要な情報をまとめています。GPTのビジネス活用を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
GPT-4.5の概要と最新情報
GPT-4.5は、OpenAIが開発した最新の大規模言語モデル(LLM)です。 2025年2月下旬に正式リリースされ、ChatGPTやOpenAI APIを通じて提供が開始されました。GPT-4の後継モデルとして、知識ベースや文章生成能力が大幅に強化されています。
正式リリースの発表
OpenAI CEOのサム・アルトマン氏がXで「GPT-4.5 is ready!」と発表し、正式リリースが確認されました。 アルトマン氏は「思慮深い人間と会話しているような感覚」と表現し、AIからの実用的なアドバイスに驚いたと述べています。
GPT-4.5 is ready!
good news: it is the first model that feels like talking to a thoughtful person to me. i have had several moments where i've sat back in my chair and been astonished at getting actually good advice from an AI.
bad news: it is a giant, expensive model. we…— Sam Altman (@sama) February 27, 2025
このリリースに先立ち、アルトマン氏は2025年2月上旬にGPT-4.5とGPT-5に関するロードマップを公開していました。
OPENAI ROADMAP UPDATE FOR GPT-4.5 and GPT-5:
We want to do a better job of sharing our intended roadmap, and a much better job simplifying our product offerings.
We want AI to "just work" for you; we realize how complicated our model and product offerings have gotten.
We hate…— Sam Altman (@sama) February 12, 2025
GPT-4.5の主な特徴と性能
GPT-4.5は知識ベースと対話品質が大幅に強化されたモデルです。従来のGPT-4と比較して、より自然な対話が可能になり、幅広い質問に正確に回答できるようになりました。主な特徴は以下の通りです。
知識ベースの拡大
GPT-4.5では、従来のGPT-4よりもはるかに大きなデータセットを用いて学習しており、百科事典的な知識量を獲得しています。 専門的な質問への対応力も高まり、正確な回答を返せる場面が増えています。
自然な対話スタイル
EQ(感情面への対応力)を意識した調整によって、GPT-4.5はより温かみのある応答や創造的な文章生成が得意です。
単に事実を列挙するだけでなく、文脈を踏まえた柔軟な表現ができます。
速度と精度の向上
幻覚(誤情報)の発生率が大幅に低下し、応答速度もGPT-4に比べて高速化しています。
ベンチマークでの正答率も向上しており、クリエイティブタスクにおいても性能を発揮します。
GPT-4.5の技術的特徴
GPT-4.5は複数の技術的側面で大きな進化を遂げています。パラメータ数の増加、コンテキストウィンドウの拡張、応答速度と精度の向上など、様々な面で性能が強化されています。
パラメータ数と学習データ
GPT-4.5は従来のGPT-4を上回るパラメータ数を搭載しています。GPT-4は推定1.8兆パラメータを持つと言われていましたが、GPT-4.5ではさらに大規模なモデルとなっています。
実際にGPT-4.5はOpenAI史上最大級の言語モデルとされ、具体的なパラメータ数は公表されていないものの、「GPT-4を超える大規模モデル」であることが公式に明言されています。
学習データも2024年中頃までの情報を含んでおり、最新の知識を反映しています。社会情勢や技術トレンドなど最新の出来事にも高い対応力を示すため、時事的な質問にも適切に回答できます。
コンテキストウィンドウの拡張
GPT-4.5は最大256,000トークンもの文脈を処理できる可能性があります。GPT-4 Turbo版で最大128,000トークンまで扱えるようになりましたが、GPT-4.5ではさらに拡張されています。
正式版では、ChatGPT上で"256Kコンテキスト"はまだ実験的な扱いですが、すでに一部大企業向けのEnterpriseプランでテスト運用が始まっています。一般ユーザー向けには128Kトークン版が順次提供されています。
この拡張により、長大なドキュメントや大量の会話履歴をまとめて扱えるようになりました。長文・長時間対話の一貫性が向上し、大規模な文書分析や複雑なプロジェクト管理などのタスクに適しています。
応答速度と精度の向上
GPT-4.5は応答速度が高速化し、精度も向上しています。新たに拡張された知識ベースに基づいて誤答も削減されています。
OpenAIは「GPT-4.5は事実誤り(いわゆる"幻覚")の発生率をGPT-4比で約40%削減した」と発表しました。各種ベンチマークの正答率も向上しており、論文や技術文書の要約の正確さ、専門領域の質問への回答精度が改善されています。
実際の利用レポートでは、長文処理能力の向上も確認されています。ChatGPT上で数百ページ規模のPDFをアップロードし、瞬時に要約を得たり比較検討を進めたりしている事例が紹介されています。
回答の一貫性や文脈理解の精度が大幅に向上し、長時間にわたる対話でも「途中で話が噛み合わなくなる」現象が減少したとの声が多く上がっています。
マルチモーダル機能と外部ツール連携
GPT-4.5のマルチモーダル機能は限定的な拡張にとどまっています。GPT-4がテキストと画像入力の組み合わせに対応したのに対し、GPT-4.5では動画や音声への新たな対応は公式に否定されています。
ChatGPT側のアップデートとして、音声入力・読み上げ機能はアプリケーションレイヤーで追加されました(スマホアプリ版など)。これはあくまで音声認識と読み上げが外部モデル(Whisper等)を介したものであり、GPT-4.5そのものが音声をネイティブに扱うわけではありません。
一方で、外部ツール連携は大幅に強化されています。ChatGPTの「Canvasモード」や「ファイルアップロード機能」がGPT-4.5と統合され、PDF要約や画像解析をアドオン不要で行えるようになりました。
さらに「関数呼び出し」機能(Function Calling API)も強化されており、GPT-4.5がJSON形式で外部ツールを呼び出して結果を受け取り、会話の途中でシームレスに活用する仕組みが実装されました。
GPT-4.5の利用可能プランと料金体系
GPT-4.5の利用には複数のプランが用意されています。 高性能モデルのため料金設定が高めですが、用途に応じた選択が可能です。
GPT-4.5が利用可能な月額制プラン
GPT-4.5は主に有料プランを通じて提供されています。無料プランはGPT-3.5を中心に提供され、GPT-4.5は以下の有料プランで利用可能です。
プラン名 | 月額料金 | 主な特徴 |
---|---|---|
Plus | 20ドル | GPT-4.5への基本アクセス、一定の使用制限あり |
Team | 30ドル/ユーザー | ビジネスチーム向け、共有ワークスペース機能付き |
Pro | 200ドル | 最速アクセス、優先リソース割り当て、高い使用上限 |
Enterprise | カスタム | 大規模企業向けカスタムプラン、専用サポート付き |
Proプランでは最優先でGPT-4.5にアクセスでき、大規模なコンテキストウィンドウや高い使用上限が設定されています。企業向けにはEnterpriseプランも用意され、専用サポートやカスタマイズオプションが提供されています。
GPT-4.5のAPI利用料金と制限
GPT-4.5のAPI利用は従来モデルよりもトークン単価が高く設定されています。特に大量トークンを扱う場合にはコストが急増する可能性があるため、予算計画が重要です。
項目 | 料金比較 | 備考 |
---|---|---|
入力トークン | GPT-4比で約1.2倍 | 大量入力時はコスト増加に注意 |
出力トークン | GPT-4比で約1.5倍 | 生成文章量に応じて増加 |
大規模コンテキスト | 追加料金あり | 128K以上のコンテキスト利用時 |
APIにはレート制限も設けられており、過度な利用は制限される場合があります。必要に応じて別モデルや外部ツールを組み合わせることで、コストと性能をうまく両立させることが重要です。
競合モデルとの比較分析
GPT-4.5と他社モデルには明確な特徴の違いがあります。各モデルの強みを理解し、用途に応じた使い分けが重要です。
GPT-4.5 vs GPT-4
GPT-4.5はGPT-4の強みを引き継ぎつつ、知識ベースや創造性に優れた拡張モデルです。
比較項目 | GPT-4.5 | GPT-4 |
---|---|---|
知識ベース | 2024年中頃までの情報を含む | 2023年前半までの情報 |
対話スタイル | より自然で創造的 | 論理的だが硬い印象も |
幻覚発生率 | GPT-4比で約40%低減 | 基準値 |
コンテキスト | 最大256K | 最大128K(Turbo) |
GPT-4.5の優位点
- より広範な知識ベース(2024年中頃までの情報を含む)
- 自然な対話スタイルと創造的な文章生成
- 幻覚(誤情報)の発生率が約40%低減
- より大きなコンテキストウィンドウ(最大256K)
GPT-4が優位な場面
- 数学的推論を要する難問
- 複雑なコーディングタスク
- 論理的な段階的思考が必要な問題解決
日常的なQAや文章生成ではGPT-4.5が有力ですが、特定の高度な推論タスクではGPT-4が依然として優位性を持つ場合があります。
GPT-4.5 vs Claude
Anthropic社のClaudeはハイブリッド推論を採用しており、長いコンテキストや大規模コード処理に強みがあります。
比較項目 | GPT-4.5 | Claude |
---|---|---|
文章表現 | 豊かで自然な対話 | 論理的で整然とした構成 |
知識ベース | 広範で最新情報に対応 | 特定分野に強み |
ツール連携 | 充実した外部連携 | 限定的な連携機能 |
コード処理 | 一般的なコード対応 | 大規模コードに強み |
GPT-4.5の優位点
- 文章表現の豊かさと自然な対話スタイル
- 知識ベースの広さと最新情報への対応
- 外部ツール連携の充実度
Claudeの優位点
- 超長文コンテキスト(最大100K以上)
- 大規模コードの解析と生成
- 複雑な倫理的判断を要するタスク
GPT-4.5は一般的な対話や創造的タスクに強みがある一方、Claudeは大規模なコード処理や複雑な分析タスクに適しています。
GPT-4.5 vs Gemini
GoogleのGeminiはマルチモーダルをネイティブに統合しており、画像や音声も含めた高度な推論が可能です。
比較項目 | GPT-4.5 | Gemini |
---|---|---|
テキスト生成 | 自然で高品質 | やや機械的な印象も |
対話一貫性 | 高い文脈理解 | 文脈把握にムラあり |
マルチモーダル | 限定的な対応 | ネイティブ統合 |
外部サービス連携 | OpenAI中心 | Google連携に強み |
GPT-4.5の優位点
- テキスト生成の自然さと品質
- 対話の一貫性と文脈理解
- 知識ベースの正確性
Geminiの優位点
- 画像・音声・動画の統合的理解
- Googleサービスとの連携
- 複雑なマルチモーダルタスク
GPT-4.5はテキストベースの対話や文章生成で優れている一方、Geminiは複数のメディア形式を扱うタスクに強みを持っています。
GPT-4.5 vs オープンソースモデル
Mistralなどオープンソースの高性能モデルも台頭していますが、GPT-4.5ほど汎用的で高精度な対話品質には至っていません。
比較項目 | GPT-4.5 | オープンソースモデル |
---|---|---|
対話品質 | 総合的に高精度 | 特定タスクに特化 |
知識ベース | 広範で深い知識 | 限定的な知識も |
長文処理 | 優れた文脈理解 | 文脈把握に限界も |
コスト | 高額な利用料金 | 自己ホスティング可能 |
GPT-4.5の優位点
- 総合的な対話品質と精度
- 知識ベースの広さと深さ
- 長文処理能力と文脈理解
オープンソースモデルの優位点
- コスト効率(自己ホスティング可能)
- カスタマイズの柔軟性
- プライバシー管理の容易さ
費用やカスタマイズを重視する場合はオープンソースモデルも有力ですが、総合的な性能ではGPT-4.5が優勢です。
比較を踏まえたGPT-4.5の最適な活用シーン
GPT-4.5は以下のようなシーンで特に効果を発揮します。
- 知識集約型タスク ... 幅広い知識を必要とする質問応答や情報整理に最適です。百科事典的な知識ベースを活かし、様々な分野の質問に対応できます。
- 長文処理・文書分析 ... 拡張されたコンテキストウィンドウを活かし、長大な文書の要約や分析、比較などに適しています。
- クリエイティブライティング ... 自然な対話スタイルと豊かな表現力を活かし、魅力的な文章生成や創造的なコンテンツ制作に役立ちます。
一方で、以下のようなケースでは他のモデルとの使い分けが効果的です。
- 複雑な数理推論: GPT-4oなどの推論特化モデルが適している
- マルチモーダル処理: Geminiなど画像・音声統合モデルが優位
- コスト重視の大量処理: オープンソースモデルやGPT-3.5が経済的
今後の展開予測
GPT-5への期待
GPT-4の驚異的な自然言語処理能力を超えるモデルとして、GPT-5は画像生成や推論など幅広い分野で圧倒的な性能を示す可能性が取り沙汰されています。GPT-4.5の登場が、次の大躍進となるGPT-5の準備段階であることは間違いないでしょう。
市場競争の変化
GoogleのGemini、AnthropicのClaude、Meta AIなど、各社も次世代モデルの開発を加速させています。この競争がAI技術全体の進化を促進し、ユーザーにとってより高性能で使いやすいAIツールが登場することが期待されます。
企業導入の動向
GPT-4.5の登場により、より多くの企業がAIを業務に取り入れる動きが加速すると予測されます。特に知識集約型の業務や創造的なコンテンツ制作、顧客対応などの分野で活用が進むでしょう。
まとめ:GPT-4.5は"着実な進化"と"次世代への序章"
GPT-4.5はこれまでのGPT-4をベースに着実な改良と機能強化を施したアップデート版です。
GPT-4.5の主な強化ポイントは以下のとおりです。
- 最新の学習データと増強されたパラメータ数による知識範囲の拡大
- 最大256Kトークンまで拡張可能な巨大コンテキストウィンドウ
- 高速化・高精度化された応答エンジン
- 外部ツール連携の強化とシームレスな統合
GPT-4.5の登場により、長文処理や高度なテキスト生成をさらにスムーズに行える環境が広がりました。これまで以上に幅広いユーザーにとって、より高度なAI活用を推進するきっかけになることは間違いありません。
次世代AIへの橋渡しとしても注目を集めるGPT-4.5の活用方法を模索しつつ、今後のGPT-5の登場に向けた動向にも引き続き注目していきましょう。
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