ネガティブプロンプトとは?Stable diffusionで使える例文・コツを解説
生成AIの活用が広がる中、「ネガティブプロンプト」は高品質な画像を効率よく生成するための重要な技術です。
とくにStable Diffusionでは、「指の本数」「文字の混入」「顔の崩れ」などのトラブルを避けるうえで欠かせません。
本記事では、ネガティブプロンプトの基本や入力方法、使い方のコツに加え、ビフォーアフター事例や拡張機能(Embedding)も紹介します。 コンテンツ制作や広告の品質を高めたい企業担当者にとって、実践的な内容です。
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ネガティブプロンプトとは
ネガティブプロンプトとは、AI画像生成において「描いてほしくない要素を除外する指示文」です。
例えば、「指の数が多い」「顔が崩れる」「文字や吹き出しが入る」など、意図しない生成を防ぐために使われます。
通常のプロンプトは、欲しい要素を指定するノーマルなプロンプト(ポジティブ指示)ですが、 ネガティブプロンプトは「入れたくない要素」を除外するという違いがあります。
特にStable Diffusionなどでは、生成結果にばらつきが出やすく、 品質の安定化や崩れの予防こそがネガティブプロンプトが必要とされる理由です。
企業の広告やWeb制作では、ブランドイメージを守る対策としても注目されています。
ネガティブプロンプトの活用例
Stable Diffusionで画像生成を行う際、「高解像度の人物イラスト」を作ろうとして、顔の歪みや指の異常が発生することは珍しくありません。
以下は、ネガティブプロンプトを活用した具体的なビフォーアフターの実例です。
Before(ネガティブプロンプトなし)
プロンプト例:
a high-resolution portrait of a beautiful woman, detailed face, cinematic lighting
出力結果: 一見美しい構図ではあるものの、よく見ると手の指が6本以上あり、左右の目のバランスも不自然。さらに、背景には意図していない文字や模様が混入してしまった。
After(ネガティブプロンプトあり)
プロンプト例:プロンプトはそのまま、ネガティブプロンプトを追加
bad anatomy, extra fingers, deformed hands, poorly drawn face, distorted eyes, text, logo
出力結果: 指の本数は自然になり、顔のパーツも整い、人物のバランスが格段に安定。背景の文字やノイズも消え、全体として完成度の高いポートレートに改善された。
解説
Stable Diffusionでは、ポジティブなプロンプトだけでは思い通りの画像にならないことが多々あります。
このようにネガティブプロンプトを使うことで、細部の崩れやノイズを抑え、より意図に近い結果を効率よく得ることができます。
特に商業利用では、人物の顔や手のクオリティは信頼性に直結します。
ネガティブプロンプトは、品質を担保しながら制作効率を上げる裏方の必須ツールとして活用されています。
ネガティブプロンプトの入力方法
ネガティブプロンプトを効果的に使うには、正しい記述ルールと、ツールごとの入力欄の使い方の違いを理解しておくことが重要です。
ツールによって、ネガティブプロンプトを入力できる専用欄が用意されている場合もあれば、自分で構文として追記する必要があるものもあります。
本章では、Stable Diffusion・Midjourney・pixai・DALL·Eなどネガティブプロンプトの入力方法について、わかりやすく解説します。
入力欄があるツール(stable Diffusion・Midjourney・pixai)
以下のツールでは、ポジティブプロンプトとネガティブプロンプトを分けて入力する専用欄があり、UI上でも視覚的に管理しやすいのが特徴です。
Stable Diffusion(Web UI / AUTOMATIC1111 版など)
- Prompt(プロンプト)」と「Negative prompt(ネガティブプロンプト)」という2つの入力欄が存在します。
プロンプト例:
- Prompt: a woman in a cafe, soft lighting, high detail - Negative prompt: extra fingers, bad anatomy, deformed hands, low resolution
出力結果:カンマ区切りで複数の除外項目を追加できます。
- 入力欄自体は1つですが、--no オプションでネガティブ指定が可能です。
プロンプト例:
a futuristic city skyline --no people, text, logos
出力結果:半構文型ですが、分離して考えることが可能です。
pixai.art
- Stable Diffusionベースのブラウザ生成ツールです。
- UI上でネガティブプロンプトの独立した入力欄が表示され、初心者でも扱いやすいです。
- 基本的にはStable Diffusionと同様の構文が使えます。
入力欄がないツール(DALL-E)
ネガティブプロンプトを活用するには、ツールごとの仕様を理解することが重要です。
多くの画像生成ツールでは専用の入力欄が用意されていますが、中にはネガティブプロンプトを明示的に入力できないツールも存在します。
ここでは、入力欄がない代表的なツールである「DALL·E」の使い方や制限について解説します。
DALL·E(OpenAI提供)
- 現時点でネガティブプロンプトを入力する専用欄や構文オプションは存在しません。
- プロンプト内で「without」「no」「exclude」などの否定表現を使っても、明確に除外されるとは限らず、動作は不安定かつ仕様非公開です。
プロンプト例:
a cat sitting on a table without any text or background clutter
出力結果:実際には文字や余計な背景が含まれる場合が多いです。 制御の自由度は低く、ネガティブプロンプトに依存した精密な調整には不向きです。
補足(記述時のポイント)
- ネガティブプロンプトは基本的にカンマ区切りで、抽象的な単語を並べる形式です。
- 強調したい場合は、 (word.2) や ((word)) などの構文(Stable Diffusion系)を使用することも可能です。
- ツールによっては、サポートされる語彙や強調構文が異なるため、公式ガイドや利用コミュニティの事例確認が有効になります。
代表的なネガティブプロンプトの種類
ネガティブプロンプトは、目的に合わせて適切に使い分けることが重要です。
本章では、画像生成でよく起きるエラーや崩れに対応する代表的なネガティブプロンプトの種類を、目的別に紹介します。
実際に使えるコピペ可能な形式でまとめているので、用途に応じてすぐに活用できます。
【文章+プロンプト例】の構成例(読み物スタイル)
指の数や顔など身体の欠損対策のプロンプト
人物画像の生成では、指の数が多い・手の形が不自然・顔が崩れるといった問題がよく起こります。 こうした破綻は特に目立ちやすく、違和感を与えるため、ネガティブプロンプトでの予防が有効です。
プロンプト例:
(Stable Diffusion)
extra fingers, bad hands, missing fingers, deformed hands, poorly drawn face, bad anatomy
品質の低い画像生成を防ぐプロンプト
AIが出力した画像がぼやけている・低解像度・ノイズが乗っているといったケースでは、プロの利用に耐えられません。 出力の品質を安定させるためにも、ネガティブプロンプトで不鮮明な要素を排除します。
プロンプト例:
nginx
low quality, low resolution, blurry, bad lighting, jpeg artifacts
不適切な要素を生成しないためのネガティブプロンプト
意図していないのに、AIが暴力的・性的・攻撃的な要素を含んだ画像を生成してしまうことがあります。 商用や公共利用では問題となるため、こうした要素は事前に除外しましょう。
プロンプト例:
cpp
nsfw, nudity, gore, blood, violence, sexually explicit, offensive, hate, racism, political, religious
作画崩壊や奇形を防止するプロンプト
キャラクターや人物を生成した際に、腕が複数あったり、顔が歪んだり、構造的に不自然になることがあります。 こうした“作画崩壊”や奇形を避けるためのネガティブプロンプトは非常に有効です。
プロンプト例:
css
mutated hands, distorted face, cloned limbs, malformed body, bad proportions, unrealistic anatomy
ロゴ・文字・吹き出しなどを排除するプロンプト
意図していないのに、ロゴ・英語の単語・吹き出しのような要素が画像に入り込むことがあります。 ビジュアルをすっきり見せたいときは、これらをネガティブプロンプトで除外しましょう。
プロンプト例:
arduino
text, logo, watermark, speech bubble, captions, words, labels
【種類別】ネガティブプロンプトの例文
ネガティブプロンプトは、目的に応じて使い分けることが重要です。 画像の崩れやノイズ、不適切な要素など、AIが生み出しやすい“よくある失敗”に対応するため、 目的別に実用的なプロンプト例を把握しておくことで、生成結果の精度を高められます。
本章では、用途ごとに使える代表的なネガティブプロンプトを紹介します。 すべてコピーペーストしてそのまま使える形式でまとめているので、ぜひ活用してみてください。
指の数や顔など身体の欠損対策のプロンプト
人物画像の生成では、指の数が多い、手の形が不自然、顔が崩れるといった問題が頻繁に起こります。 こうした出力の乱れは特に目立ちやすく、画像としての完成度を大きく損なう原因になります。 そのため、ネガティブプロンプトを使ってあらかじめリスクを軽減する設定が効果的です。
プロンプト例:
(Stable Diffusion)
extra fingers, bad hands, missing fingers, deformed hands, poorly drawn face, bad anatomy
品質の低い画像生成を防ぐプロンプト
AIが出力する画像には、ぼやけ・ノイズ・低解像度といった品質面の問題が生じることがあります。 こうした画像は、プロの制作物や商用利用に耐えないため、 ネガティブプロンプトであらかじめ不鮮明な要素を排除する設定が効果的です。
プロンプト例:
(Stable Diffusion)
nginx
low quality, low resolution, blurry, bad lighting, jpeg artifacts
不適切な要素を生成しないためのネガティブプロンプト
AIはときに、暴力的・性的・攻撃的な内容を意図せず出力してしまうことがあります。 こうした要素は、商用利用や公共の場でのコンテンツ制作では大きな問題となりかねません。 あらかじめネガティブプロンプトでこれらを除外することで、安心して使える画像生成が可能になります。
プロンプト例:
(Stable Diffusion)
cpp
nsfw, nudity, gore, blood, violence, sexually explicit, offensive, hate, racism, political, relig
作画崩壊や奇形を防止するプロンプト
キャラクターや人物を生成した際に、腕が複数ある、顔が歪む、身体のバランスが不自然になるといった問題が起こることがあります。 このような“作画崩壊”や奇形を避けたい場合には、ネガティブプロンプトであらかじめ除外しておくのが有効です。 Stable Diffusionなどの画像生成AIでは、特に手や顔などの細部で崩れやすいため注意が必要です。
プロンプト例:
(Stable Diffusion):
css
mutated hands, distorted face, cloned limbs, malformed body, bad proportions, unrealistic anatomy
ロゴ・文字・吹き出しなどを排除するプロンプト
画像生成時に、ロゴや文字、吹き出しなどの不要な要素が意図せず入り込むことがあります。 とくに商用バナーや広告クリエイティブなどでは、こうした要素が視認性やブランドイメージを損なう原因にもなり得ます。 ビジュアルをすっきり見せたい場合は、ネガティブプロンプトでこれらを事前に除外するのが効果的です。
プロンプト例(Stable Diffusion)
arduino
text, logo, watermark, speech bubble, captions, words, labels
特定の表情・スタイルを避けるネガティブプロンプト
画像生成では、怒った表情や悲しい表情、アニメ風・カートゥーン調の絵柄など、 特定の感情やスタイルが自動で含まれてしまうことがあります。 こうした要素を意図的に避けたい場合には、ネガティブプロンプトを使って事前に制御するのが有効です。 特に、リアル志向・ナチュラルな印象を求めるビジュアル制作では、スタイル指定の排除が品質向上につながります。
プロンプト例(Stable Diffusion):
angry, sad, anime style, cartoon, exaggerated expression, kawaii
分割生成を避けるためのプロンプト
AIによっては、1枚の画像内に複数の構図やシーンを詰め込んだような「コマ割りレイアウト」を自動生成してしまうことがあります。 これは意図せずに画面が複数に分割される“分割生成”という現象で、1枚絵やポスター・サムネイルなどに使いたい場合には非常に不向きです。 そのため、こうした表現を避けたいときには、ネガティブプロンプトであらかじめ除外しておきましょう。
プロンプト例(Stable Diffusion)
arduino
multiple panels, split image, comic layout, collage, dual view, double exposure
ネガティブプロンプトが効かない原因
画像生成AIを使っていると、「ネガティブプロンプトを入れているのに効果がない」と感じる場面があります。
これは、プロンプトの記述方法や構成に原因があるケースがほとんどです。
本章では、ネガティブプロンプトが効かない原因を3つ紹介します。
ネガティブプロンプトの指定が多すぎる
ネガティブプロンプトに過剰なワードを詰め込みすぎると、AIが何を避けるべきか判断しづらくなることがあります。
結果的に「結局何も排除できていない」「出力が不安定になる」といった逆効果が起きることもあります。 10〜20語程度までを目安にし、効果を検証しながら調整していくのが理想です。
ネガティブプロンプトの記述ミス
カンマの抜け・スペルミス・半角全角の混在など、小さな記述ミスでもプロンプトが無効化されることがあります。
とくに「複数の単語をつなげたキーワード(例:bad anatomy)」はスペースや語順にも注意が必要です。 一文ごとに構文チェックする癖をつけると、トラブル防止につながります。
プロンプトとネガティブプロンプトの内容が矛盾している
「リアルなアニメ風キャラクター」を生成したいのに、ネガティブプロンプトで「anime style」「kawaii」などを除外してしまうと、
プロンプトとネガティブプロンプトの内容が矛盾していることになり、AIが意図を正しく理解できなくなります。
ネガティブプロントが効かない時の対処法
前章で紹介したように、ネガティブプロンプトが効かない場合は、記述ミスや構文の矛盾、キーワードの詰め込みすぎといった原因が考えられます。
本章では、ネガティブプロントが効かない時の対処法を紹介します。
プロンプトの見直し
まず最も重要なのは、プロンプト全体の構成を見直すことです。 「避けたい要素」と「望ましい表現」が矛盾していないか、ネガティブプロンプトが過剰になっていないかを確認しましょう。
- 避けたい単語は10〜20語程度に絞る
- スペルミスやカンマの抜けがないかをチェックする
- ポジティブプロンプトとネガティブプロンプトが論理的にかみ合っているかを見直す
このように、まずはシンプルかつ目的に沿った構成にすることが、成功の第一歩です。
拡張機能やEmbeddingの導入
より高精度な出力を目指す場合には、Stable Diffusionで利用可能なEmbeddingや拡張機能を活用するのも有効です。
これらは、曖昧な言葉だけでは排除しきれない要素を、より強力かつ的確に制御するための学習済みモデルです。
代表的なネガティブ用Embedding例:
- EasyNegative:全体のバランスや品質を安定させる
- badhandv4:手の崩れを防ぐ
- Deep Negative V1.x:全体の破綻を防止
Embeddingを使うには、ツールが対応している必要がありますが、学習済みモデルを追加することでプロンプト以上の制御力が得られます。
強調構文を活用する
ネガティブプロンプトが効きにくい要素に対しては、強調構文(weighting syntax)を使うことで、排除の精度を上げることができます。
プロンプト例:
scss
(bad hands:1.5), (blurry:2.0), (anime style:1.4)
このように「要素名
」の形式で記述することで、避けたいキーワードの重要度を調整できます。 ただし、強調しすぎると逆に生成が不自然になる場合もあるため、1.1〜1.5倍程度の適度な重み付けを意識しましょう。【プロンプトの失敗を防ぐ】拡張機能Embedding5選
ネガティブプロンプトを記述しても、思い通りの画像にならないときは、Embedding(埋め込み型拡張モデル)を活用するのが効果的です。
Embeddingとは、生成AIに特定の「避けたい特徴」を強く学習させた拡張データのことで、 通常のプロンプトだけでは排除しきれない破綻や崩れを補正するのに役立ちます。
本章では、プロンプトの失敗を防ぐために使える代表的なEmbedding5選を紹介します。
EasyNegative
EasyNegativeは、生成された画像の全体的なバランスの崩れや違和感を抑えるEmbeddingです。
「どこが悪いとは言い切れないけれど、なぜか不自然」という画像の品質を底上げしたいときに効果を発揮します。
Deep Negative V1.x
Deep Negativeは、顔や身体の歪み・奇形など、構造的な崩れを強力に抑える拡張Embeddingです。 とくに人物やキャラクターを生成する際に起こりやすい「目の位置のズレ」「不自然な骨格」「体のねじれ」など、 肉眼で気づきやすい破綻表現を大幅に軽減してくれるのが特徴です。
人体パーツの崩れや不自然なポーズを頻発しやすいベースモデル(例:フォトリアル系・ファッション系)との相性がよく、EC商品の着用イメージ画像や、広告用の人物ビジュアルを安定させたい企業利用にも適しています。
badhandv4
badhandv4は、手や指に特化した修正用のEmbeddingで、細部の作画崩れを防ぐのに非常に有効です。 AI画像生成では、指の本数が増える、手がねじれる、指同士がつながるといった破綻がとくに頻繁に起こりやすい部位が「手」です。
このEmbeddingは、そうした手元の違和感を最小限に抑え、自然で整った形状の指や手を生成しやすくしてくれます。
とくに人物が物を持つ、ジェスチャーをする、ポーズを取るといった構図では、手の精度が画全体のリアリティに直結するため、広告・SNS用画像・プレゼン資料などでの品質管理にも効果的です。
CyberRealistic Negative
CyberRealistic Negativeは、CyberRealisticなどのフォトリアル系モデルに特化した負例Embeddingです。肌の質感がざらついて見える、目元が不自然に歪む、陰影にムラが出るといった、リアル志向のモデル特有の細かな破綻を抑えるのに効果的です。
特に、中〜近距離で人物を描写するような構図では、こうした違和感が目立ちやすく、 SNSのアイコン・商品紹介用モデル・ビジュアルメインのLP素材など、人物の顔や質感が重視されるシーンでの使用に適しています。
リアルだけど違和感のない人物描写を安定させたいときの補正ツールとして、プロンプトとの併用がおすすめです。
Style Asian Less
Style Asian Lessは、「kawaii」や「アニメ調」の表現を避けたいときに使えるEmbeddingです。 アジア系の絵柄に多い、丸みを帯びた目元・柔らかい輪郭・アニメ的なデフォルメを抑える目的で活用されます。
リアル寄りの表現や、ヨーロッパ風・中性的・クールな印象のスタイルを優先したいときに有効です。 特に、「ビジネス寄りの人物」「リアルなファッションカタログ素材」など、感情の抑制やニュートラルさが求められる構成での利用に適しています。
生成結果の雰囲気をコントロールしたいときに、アートスタイルの方向性を微調整できるEmbeddingとして重宝されます。
ネガティブプロンプト使用時の注意点
ネガティブプロンプトは非常に便利な機能ですが、使用する環境や設定によって効果に差が出ることがあります。
ここでは、モデルやバージョンの違い・Embeddingの互換性など、使用前に知っておきたい注意点を紹介します。
モデルやバージョンによる影響
table Diffusion v1.5で有効だったプロンプトが、v2.1ではうまく作用しないケースがあります。 これは、モデルやバージョンによる影響によって、ネガティブプロンプトの効き方が変わってしまうためです。
LoRAやカスタムモデルを使っている場合も同様で、学習傾向が異なることで出力結果に違いが出ます。 思ったような画像が出ないときは、使用しているモデルの仕様やリリースノートを確認してみましょう。
Embeddingや拡張機能の互換性
Embeddingや拡張機能は、使用するモデルと互換性が合わないと、効果が出ないどころか画像が崩れることもあります。
たとえば、Stable Diffusion v1.5向けのEmbedding(例:badhandv4、EasyNegative)をv2.1やSDXLで使うと、逆に違和感が増す場合があります。
また、複数のEmbeddingを同時に使うと、内容が競合して効果が薄れたり、処理が不安定になることもあります。 基本的には、使っているモデルに最適化されたEmbeddingかどうかを確認し、同時使用は1〜2個までにとどめるのが安全です。
その他の注意点(プロンプト全体とのバランス)
ネガティブプロンプトはあくまで「抑制」や「補正」を目的とした補助的な役割です。過度に頼りすぎたり、ポジティブプロンプトとの論理的な整合性が取れていないと、期待する効果が出ないことがあります。
- ネガティブに頼りすぎず、まずはポジティブプロンプトを明確にすることです。
- 「何を描かせたいのか」「何を避けたいのか」をはっきりさせて、矛盾のない構成にすることです。
これらを意識することで、ネガティブプロンプトの効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
ネガティブプロンプトは、生成AIの品質と安定性を高めるうえで欠かせない技術です。 指の数や顔の崩れ、不適切な要素の混入といったリスクを未然に防ぐことで、広告・Web制作・商品プロモーションなど企業のコンテンツ活用にも大きな効果を発揮します。
本記事で紹介したプロンプト例やEmbeddingの活用法を取り入れることで、精度の高いビジュアル制作やブランドイメージの維持に役立てることができます。 生成結果の不安定さに悩む場面では、ぜひ今回の内容を実践に活かしてみてください。
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