【初心者向け】SDXL(Stable Diffusion XL)の導入・使い方・おすすめモデル完全ガイド
画像生成AIの最新技術「SDXL(Stable Diffusion XL)」は、高精度かつ商用利用も可能な次世代モデルとして注目されています。
本記事では、Web UIの導入からおすすめモデルの使い分け、メモリ不足時の対策まで、初心者でも迷わず使い始められる手順を網羅的に解説します。
アニメ・リアル・軽量タイプなど用途別モデルも紹介し、ビジネス用途でも活用できるSDXLの魅力と実践的な使い方をわかりやすくご紹介します。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
SDXLとは何か
SDXL(Stable Diffusion XL)とは、従来のStable Diffusionを進化させた次世代の画像生成モデルです。
Stable Diffusionとは、テキスト(文章)から画像を生成するオープンソースのAIモデルで、2022年に公開されて以降、多くのユーザーに使われている人気の画像生成ツールです。
高解像度かつ高精細な画像出力が可能で、リアルな写真風の描写からアニメ・イラストまで幅広く対応します。
商用利用にも適しており、広告・ゲーム・出版など多様な業界で注目されています。
SDXLの導入方法
SDXLを活用するには、まず基本的な導入手順を理解しておくことが重要です。 導入といっても、Web UIのインストールからモデルファイルの配置まで、すべての作業は順を追って進められます。
本章では、初心者でも迷わず進められるように、SDXLの導入手順を5つのステップに分けて解説します。 各ステップには、理解を助けるスクリーンショットも添えています。
1. Web UIをインストールする
Web UIをインストールするには、AUTOMATIC1111版のStable Diffusion Web UIをGitHubからクローン(コピー)します。
これは、GitHub上にあるプログラム一式を自分のパソコンに取り込む作業で、以下のコマンドを使って行います。
bash
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
PythonとGitがインストールされていれば、コマンドライン(ターミナル)を開いてこのコマンドを実行するだけで導入が可能です。
インストール先フォルダには、自動的に必要なファイル一式が作成されます。
2. モデルファイルをダウンロードする
Web UIのインストールが完了したら、次にSDXLのモデルファイルをダウンロードします。 このモデルファイルは、画像を生成する際の「脳」にあたる重要な要素です。
SDXLの公式モデルは、AIモデル共有サイト「Hugging Face」で提供されています。
この画面では、sd_xl_base_1.0.safetensors
ファイルを選択し、「Download」ボタンをクリックするだけで、SDXLのモデルファイルを簡単に取得できます。
ダウンロードが完了したら、Web UI の models/Stable-diffusion
フォルダにこのファイルを配置してください。これでWeb UIから自動認識され、画像生成に使用できるようになります。
3. モデルファイルを格納する
ダウンロードした sd_xl_base_1.0.safetensors ファイルは、 Web UIの models/Stable-diffusion/ モデルファイルを格納することで使用可能になります。
この作業により、Web UI起動時にモデルが自動認識され、画像生成が可能になります。
続いて、より快適に使うために拡張機能(エクステンション)も導入しましょう。
「Extensions」タブから必要な機能を選び、簡単に追加できます。
SDXLの公式モデルファイルは、Hugging Face上で配布されています。下記のような画面から sd_xl_base_1.0.safetensors
をダウンロード可能です。
4. Web UIを起動してモデルを選択する
モデルファイルの格納が完了したら、Web UIを起動してモデルを選択します。
起動は、stable-diffusion-webui フォルダ内にある webui-user.bat(Windowsの場合)をダブルクリックするだけです。 ターミナルが自動的に立ち上がり、しばらくすると「Running on local URL: http://127.0.0.1:7860」という表示が出ます。
このURLをブラウザに入力すると、Web UIが開きます。
5. 設定を保存してUIをリロードする
モデルを選択した後や、拡張機能を導入した場合は、設定を保存してUIをリロードする必要があります。 この操作を行うことで、変更内容が反映され、安定して動作するようになります。
手順
- Web UI上部メニューの「Settings(設定)」タブをクリックします。
- 左下にある【Apply settings】(設定を反映)ボタンを押します。
- その後、【Reload UI】(UIをリロード)ボタンを押すと、Web UIが再読み込みされます。
出典:Docker公式サイト
SDXLのおすすめモデル【用途別】
SDXLでは、用途に応じて最適なモデルを選ぶことが高品質な画像生成の鍵となります。
特にアニメ調やリアル描写、軽量性など、目的に合わせたカスタムモデルが数多く登場しています。
本章では、代表的なSDXL対応モデルを3つに分類し、それぞれの特徴やおすすめシーンを解説します。
AAM XL|アニメ・イラスト向けモデル
AAM XL|アニメ・イラスト向けモデルは、輪郭線や彩色のニュアンスに優れ、二次元キャラクターの表現に適した高精度な画像生成モデルです。
アニメ調の世界観を再現しやすく、マンガやゲームビジュアルの制作にも活用されています。独特のスタイル表現が安定しやすいため、初心者でも使いやすい点も魅力です。
Juggernaut XL|リアル・万能型モデル
Juggernaut XL|リアル・万能型モデルは、現実に近い質感とディテール表現に優れた高精度な画像生成モデルです。
人物・風景・静物など幅広いジャンルに対応できるため、汎用性が高く、多くのプロンプトに柔軟に対応します。
実写寄りの作品を作りたい方や、商用向けのビジュアル素材にも活用されており、安定した出力結果も支持されています。
Hyper-SDXL|軽量・高速動作モデル
Hyper-SDXL|軽量・高速動作モデルは、動作の軽さと生成スピードに特化した効率的な画像生成モデルです。
PCスペックに不安がある場合や、短時間で多数の画像を生成したいシーンに適しており、処理負荷が抑えられているのが特徴です。
やや描写の精度は落ちますが、ラフ案作成や試作段階の用途として非常に実用的です。
用途に応じたモデル選択で、作業効率を最大化しましょう。
SDXLの使い方
SDXLの導入が完了したら、次は実際に画像を生成するための基本操作を覚えることが重要です。
特に初心者にとっては、モデルの選択や環境設定、画像生成までの手順をひとつずつ理解することで、スムーズに活用できます。
本章では、実際の使い方を解説します。
モデルの選択
モデルの選択は、用途に応じた画像生成を実現するために必要な使い方です。
Web UI上部の「Checkpoint(チェックポイント)」欄から、使用したいモデルをプルダウン形式で選びます。
あらかじめダウンロード・格納した「Juggernaut XL」や「AAM XL」などが一覧で表示されるため、目的に合ったものをクリックするだけで反映されます。
たとえば、リアルなポートレートを描きたい場合は「Juggernaut XL」、アニメ風のキャラを生成したいなら「AAM XL」を選択します。
環境の設定
環境の設定は、安定してSDXLを動作させるために必要な使い方です。
Web UIでは、VAE(変分オートエンコーダ)やCLIP、サンプラー、ステップ数などを設定できます。モデルごとに推奨値が異なるため、適切な設定を行うことで出力精度が向上します。
出力解像度やシード値、バッチサイズも指定でき、同じ画像を繰り返し生成したい場合はシード値を固定すると便利です。
画像生成の手順
画像生成の手順は、プロンプト入力とパラメータ設定を行ってボタンをクリックに必要な使い方です。
テキストボックスにプロンプト(生成したい画像の説明文)を入力し、ステップ数・サンプラー・画像サイズなどのパラメータを設定します。
モデルや環境設定が完了していれば、「Generate」ボタンを押すだけで画像が自動生成されます。
ネガティブプロンプトを入力すれば、不要な要素を除いた画像の生成も可能です。完成画像は、右側の出力欄にリアルタイムで表示されます。
SDXLのメモリ対策
Stable Diffusion XL(SDXL)は高精度な画像を生成できる反面、使用するメモリ量も多く、PCスペックによっては処理が不安定になる場合があります。
本章では、SDXLをスムーズに動作させるために知っておきたいメモリ節約の具体的な方法について紹介します。
生成が途中で止まる、エラーが出るといったトラブルに悩んでいる方は、次の項目で紹介する対策が解決のヒントになります。
画像解像度を下げる
画像解像度を下げることは、メモリ不足を回避するための最も手軽な対策です。
解像度が高いほど必要なVRAM(ビデオメモリ)は増えるため、生成画像のサイズを小さくするだけで動作が安定します。
特に8GB未満の環境では、512×512pxや768×768px程度に抑えることでエラー発生を防ぎやすくなります。
Refinerモデルの使用を控える
Refinerモデルの使用を控えることは、SDXLのメモリ消費を抑える対策です。
Refinerモデルは細部を高精細に仕上げる処理を行うため、通常モデルよりも多くのメモリを消費します。
精度よりも軽快さを重視する場合は、Refinerの併用を避け、ベースモデルだけで画像生成を行う方法が推奨されます。
バッチサイズを小さくする
バッチサイズを小さくすることは、VRAM使用量を抑えてSDXLを安定動作させる対策です。
バッチサイズとは、一度に生成する画像の枚数のことを指し、これを減らすと処理負荷が軽くなります。
複数画像を同時生成したい場合でも、まずは1枚から始め、徐々に調整することでメモリエラーを回避できます。
SDXLに関するよくある質問
SDXLの導入を検討している企業や個人ユーザーからは、機能の違いやコストに関する質問が多く寄せられます。
本章では、SDとSDXLの性能差や、利用時にかかる料金など、導入前に気になるポイントをQ&A形式でわかりやすく解説します。
はじめて利用する方にとっても、基本的な疑問を解消できる内容となっています。
SDとSDXLの違いは何ですか?
SDXLは、SDより高解像度かつ高精度な画像が生成できる点が大きな違いです。
構図やディテール表現にも優れており、よりリアルな画像や複雑なイラストの生成に適しています。
特に「1024×1024ピクセル」以上の高解像度画像に対応しており、従来のSDで難しかった背景描写や細かい質感表現も滑らかに再現できます。
そのため、広告・出版・ゲーム開発など高品質なビジュアルを求める業務用途にも適しているのが特徴です。
SDXLの料金はいくらですか?
SDXLの料金は基本的に無料ですが、利用環境によっては費用が発生します。
ローカル環境(自分のPC)に導入して使用する場合は無料で利用できますが、Google Colabや商用のWebサービスを使う場合は、クラウド利用料やサブスクリプションが必要になることがあります。
また、商用利用時は利用規約の確認も重要です。
まとめ
SDXLは、高精度な画像生成を求める企業にとって、クリエイティブ業務の生産性を飛躍的に高める可能性を秘めたツールです。
導入や設定もWeb UIを通じて直感的に行え、目的に応じたモデルを選ぶことで、アニメからリアル表現まで柔軟に対応できます。
本記事を参考に、御社の業務に最適なSDXLの活用方法をぜひ実践してみてください。 まずはローカル環境での導入から、ビジネス活用への第一歩を踏み出しましょう。