GPT-5とは?GPT4との違い・を
OpenAIが開発する次世代言語モデル「GPT-5」が数か月以内にリリースされる見通しです。2025年2月12日、CEOのサム・アルトマン氏がこの計画を明らかにしたことで、AI業界に大きな注目が集まっています。 GPT-5は、GPT-4から約2年を経て登場する新モデルで、音声・画像・検索機能を統合した"マルチモーダル"対応や、飛躍的な推論能力の向上が期待されています。本記事では、GPT-5のリリース時期、性能向上ポイント、新機能、料金プランなど、現時点で判明している最新情報をわかりやすく解説します。
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GPT-5とは?
GPT-5は、OpenAIが開発中の次世代大規模言語モデルです。2025年2月12日、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏がGPT-5を今後数か月以内にリリースする計画を公式に発表し、AI業界に大きな衝撃を与えました。
OPENAI ROADMAP UPDATE FOR GPT-4.5 and GPT-5:
We want to do a better job of sharing our intended roadmap, and a much better job simplifying our product offerings.
We want AI to "just work" for you; we realize how complicated our model and product offerings have gotten.
We hate…— Sam Altman (@sama) February 12, 2025
GPT-4が公開されたのは2023年3月で、GPT-5はその約2年後のリリースとなります。GPT-5は、(25/4/14現在)今後数ヶ月以内にリリースされるとアルトマン氏は述べています。
OpenAIの新ロードマップによれば、GPT-4.5はチェーン・オブ・ソート(Chain-of-Thought)を持たない最後のモデルとされ、GPT-5ではこれをネイティブに統合します。複雑化した製品ラインを整理しつつ、「魔法のような統合知能」を提供することが大きな狙いです。
GPT-5の性能向上ポイント・GPT-4との6つの違い
GPT-5はGPT-4からどのように進化するのでしょうか。ここでは、現時点で予想される6つの大きな違いを解説します。
1.大幅な推論能力の向上
アルトマン氏はGPT-4を振り返り「イマイチ(kind of sucks)だ」と評し、GPT-5への期待として「GPT-3からGPT-4への進歩と同等に全方面で良くなる」と示唆しています。
GPT-5の最大の特徴は、チェーン・オブ・ソート(逐次思考)をモデル内部に組み込む点です。これにより、複雑な課題を自律的に段階的思考で解決できるようになると見られています。従来はプロンプトエンジニアリングで促していた思考プロセスが、モデル自体に統合されることで、より高度な推論が可能になります。
GPT-5に統合予定の「o3」と呼ばれる推論特化モデルは、難解な数学ベンチマーク(Frontier Math)で25.2%というスコアを達成しました。これは従来の2%未満から大幅に飛躍しており、GPT-5全体の論理推論能力が強化される要因の一つとなっています。
2. ネイティブなチェーン・オブ・ソート
GPT-4ではプロンプトエンジニアリングを駆使して逐次思考を促す必要がありましたが、GPT-5は推論アプローチそのものに組み込まれます。これにより、数式や複雑なロジックの精度が大幅に向上すると期待されています。
3. ツール統合とマルチモーダル対応
GPT-5は音声・画像・検索機能を標準搭載します。GPT-4でオプションだったウェブブラウジングやプラグインを必要とせず、一つのモデルで多様な入出力を扱えるようになります。
4. コンテキスト長と記憶力
GPT-4は8k〜32kトークン(最大128k)に対応しましたが、GPT-5ではさらに拡大の見込みです。より長い対話履歴や膨大な文書を一括で処理しつつ高精度な応答を維持できるようになります。
5. 無料利用の可能性
GPT-4は最初、ChatGPT Plus限定でしたが、GPT-5は無料ユーザーにも開放される計画です。ただし有料版との機能格差は存在し、「知能レベル」の段階的利用が実施される見込みです。
6. テスト時コンピュート(test-time compute)
GPT-5では、必要に応じて処理時間・計算資源を増強し、応答の質を動的に向上できる技術が導入される見込みです。これにより、特に高難度のタスクでも精度を大きく高められると期待されています。
GPT5で提供される新機能
GPT-5では、テキストにとどまらないマルチモーダル対応が計画されています。これは単一のモデルで複数の情報形式を処理できる機能であり、ユーザー体験を大きく向上させる重要な進化です。アルトマン氏は「音声(Voice)、キャンバス(Canvas)、検索(Search)、Deep Researchなどあらゆるツールを統合したシステム」を目指すと述べています。
ここからは、GPT-5で期待される主要な新機能を詳しく見ていきましょう。
音声インタラクション
GPT-5では、入力・出力とも音声に標準対応する見込みです。現在のChatGPTでは、ユーザーが話しかけ、AIの応答を音声で得られる「Voiceモード」が提供されていますが、GPT-5ではこの機能がさらに強化されると予想されます。
現在Plus/Proプランで利用可能な高度な音声機能も、GPT-5では標準機能として統合される可能性があります。
キャンバス(Canvas)
キャンバス機能では、画像生成や編集、スケッチボード機能などが想定されています。OpenAI DevDayでは画像解析やお絵描き機能のデモも報告されており、GPT-5ではビジュアルコンテンツの作成・編集が一段と容易になる可能性があります。
インターネット検索
GPT-4まではブラウジングやプラグインによるオプション対応でしたが、GPT-5では標準でウェブ検索がシームレスに統合される予定です。これにより、リアルタイム情報へのアクセスが可能になり、回答の正確性と最新性が向上します。
Deep Research
Deep Researchは、インターネット上の多数の情報源を集約し、長文レポートなどを自動生成する高度情報収集機能です。報道によれば、ChatGPT無料ユーザーは月2回、Plusユーザーは月10回まで利用できる計画とされています。
さらに、OpenAIのビデオ生成モデル「Sora」と連携し、画像・映像生成にも対応する可能性があります。これにより、テキスト、画像、動画をまたいだ自然な対話や創造的アウトプットの実現が期待されます。
GPT-5の料金体系
GPT-5の利用料金とプランについては、ChatGPT向けとAPI向けに分けて考える必要があります。ここでは、現時点で予想される料金体系を解説します。
GPT-5が使用できる月額制プラン
GPT-5のChatGPT向けプランは、以下の3段階が予想されています。
プラン名 | 月額料金 | 主な特徴 |
---|---|---|
無料版 | 0円 | ・GPT-5は無料ユーザーにも提供予定・「標準的な知能レベル」での利用に制限あり・「悪用しきい値」による利用制限あり |
ChatGPT Plus | 20ドル | ・より高い知能レベルでGPT-5を利用可能・GPT-4に続いて優先アクセスが得られる・音声などの追加機能も強化される予定 |
ChatGPT Pro | 200ドル | ・新設の上位プラン・最も高度な推論モードが利用可能・大量トークン処理や長時間思考プロセスに対応 |
GPT-5のAPI提供料金
開発者向けにはAPI経由でもGPT-5が提供される予定です。料金はGPT-4よりも高めのトークン課金制が予想されます。
現行の推論特化版「o1-preview」は入力100万トークン当たり15ドル、出力100万トークン当たり60ドルという価格設定で、GPT-4の2倍程度です。GPT-5もこれに近い、もしくはそれ以上になる可能性があります。
ただし、OpenAIは開発者向けに無料枠や小規模モデルとの組み合わせを検討しており、さまざまなニーズに応える柔軟なプランが整備される見通しです。
GPT-5のトレーニングデータの規模と内容
GPT-5のトレーニングデータについては、公式な詳細は明らかにされていませんが、AIの性能を決定づける最も重要な要素として注目されています。モデルの知識量や推論能力は学習データに大きく依存するため、ここではいくつかの重要な推測点を解説します。
GPT-4でも数兆単語規模のテキストで学習したと推測されていますが、GPT-5はそれを大きく上回るデータセットで訓練されている可能性が高いです。
OpenAIが新たに取得した独自のプロプライエタリデータを活用するほか、テスト時コンピュート型の推論特化モデル(o1シリーズ)を使って学習データを補完する試みも報告されています。
学習コストは数億ドル規模、訓練期間も数か月以上と推定されています。また、モデルの知識カットオフも引き上げられ、前述の検索機能との統合により、GPT-5はリアルタイム情報を参照できる設計が見込まれます。
ChatGPT-5の制限や課題
GPT-5の登場に期待が高まる一方で、いくつかの制限や課題も指摘されています。ここでは主な懸念点を解説します。
AGIには未到達
GPT-5に対してAGI(汎用人工知能)レベルを期待する声もありますが、OpenAIはこれを否定しています。アルトマン氏は「GPT-5がAGIだとは考えていない」と慎重な姿勢を示しています。
悪用と規制
GPT-5ほど強力なAIが普及すると、フィッシングメールやディープフェイクなどの悪用リスクも拡大します。OpenAIは乱用監視(abuse thresholds)を導入し、規約違反には使用制限を設ける方針です。
アルトマン氏は政府のAI規制や業界内ガイドラインの整備を支持しており、安全かつ責任ある展開を目指しています。
社会・経済への影響
高度なAIの普及による雇用への影響や、教育・労働市場へのインパクトは無視できません。OpenAIは倫理委員会の設置などを通じ、AI活用がもたらすリスクと利益の両面を議論しています。
企業や開発者向けの展開情報
GPT-5は個人ユーザーだけでなく、企業や開発者向けにも重要な展開が予定されています。ビジネス環境でのAI活用を加速させる重要な転換点となる可能性が高く、多くの企業がすでに導入準備を進めています。ここでは、ビジネス利用に関する最新情報を解説します。
企業向けプラン
ChatGPT EnterpriseやTeamプランを通じて、企業向けにGPT-5が優先的に展開される見込みです。専用サポートや拡張されたコンテキスト、セキュリティ設定などが提供されると予想されます。
開発者向けAPI
開発者向けには段階的にAPIが開放され、ウェイトリストなどを経たのちに広く利用可能になる見通しです。Azure OpenAI Serviceなどのマイクロソフトとのパートナーシップも注目され、企業がクラウド環境でGPT-5をスケーラブルに利用できるようになります。
エコシステムの拡大
サードパーティとのコラボレーションにより、プラグインやAIサービスのエコシステムが拡大する見込みです。高度なAIアシスタントやクリエイティブツール、専門特化ソリューションなど、多様な新サービスの登場が期待されています。
まとめ
GPT-5はGPT-4の公開から約2年後の「今後数か月以内」にリリースされる次世代AIモデルです。本記事で解説した主要ポイントをまとめると:
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飛躍的な性能向上: GPT-3からGPT-4への進化と同等の大きな性能向上が期待されています。特にチェーン・オブ・ソート(逐次思考)をネイティブに統合することで、複雑な推論能力が大幅に強化されます。
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マルチモーダル対応: 音声、画像、検索機能などを標準搭載し、テキスト以外の情報形式も扱える統合的なAIとして進化します。
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料金プラン: 無料版から月額200ドルのChatGPT Proまで、段階的な料金体系が予想されています。無料ユーザーでも利用可能ですが、有料プランでより高度な機能にアクセスできます。
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企業・開発者向け展開: ビジネス環境でのAI活用を加速させる重要な転換点となり、APIやAzure連携を通じて企業システムへの統合が進むでしょう。
同時に、誤情報や悪用リスクといった課題も顕在化しており、OpenAIは外部監査やガイドライン整備を通じた安全策を強調しています。
リリース時期が近づくにつれ、追加的な仕様や料金、各種パートナーシップの詳細が明らかになるはずです。今後もOpenAI公式発表や主要メディアの報道を注視し、最新の動向をチェックしていきましょう。
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