Grok(グロック)とは?機能・料金・使用方法まで徹底解説

最終更新日: 2025-05-15

イーロン・マスク率いるxAI社が開発した「Grok」は、X(旧Twitter)連携によるリアルタイム情報取得やDeepSearch機能、ユーモア溢れる対話スタイルが特徴の次世代AIです。

本記事では、Grokの概要、最新モデル「Grok」の概要、開発背景、Xプラットフォームとの統合、革新的な機能、料金体系、導入方法について詳細に解説します。

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仲 思成
監修者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

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Grokの概要

Grokとは?

Grokは、イーロン・マスク率いるxAI社が開発した革新的な対話型AIモデルです。2023年11月の初代モデル登場から急速な進化を遂げ、2025年5月現在は「Grok 3」が最新バージョンとして提供されています。

Grokの最大の特徴は、X(旧Twitter)プラットフォームとの緊密な統合により、リアルタイムでのウェブ情報やトレンドへのアクセスが可能な点です。これにより、常に最新情報を反映した応答ができるという、他のAIチャットボットにはない強みを持っています。

また、約100万トークンという膨大なコンテキストウィンドウを持ち、長文の処理や複雑な会話の維持に優れているほか、DeepSearchやThink機能による高度な推論能力、マルチモーダル対応による画像理解・生成機能なども搭載しています。

Xプラットフォームとの統合

GrokはXプラットフォームと深く統合されており、X上の投稿内容や最新トレンドへのリアルタイムアクセスが可能です。これにより、市場動向、政治情勢、技術トレンドなど、最新の情報に基づいた質問に対応できます。

例えば「今日の日本の主要経済ニュースを要約して」という問いに対し、X上で話題になっている最新の経済ニュースを取り込んだ回答が得られます。また「〇〇に関する最新の研究動向は?」といった質問にも、最新情報を含めた包括的な回答が可能です。

この機能は情報のアップデートが早い分野(株式市場、テクノロジー、時事問題など)において特に価値を発揮し、常に最新情報に基づいた意思決定や分析をサポートします。

Grokの4つの機能

DeepSearch:複雑な情報を深く理解する検索機能

Grokの革新的機能の一つが「DeepSearch」です。この機能を使用すると、重要な情報を素早く収集・合成し、複雑な情報から明確な回答を導き出します。2025年5月からは、さらに高度な「DeeperSearch」機能も利用可能になり、より広範囲の検索と深い推論が実現しました。

DeepSearchの特徴的な点は、Grokが回答を導き出すプロセスが可視化される点です。検索クエリから始まり、参照したウェブページや思考過程が表示され、最終的な回答がどのように導き出されたのかを理解できます。

例えば「最近の量子コンピューティングの進展について詳しく教えて」という質問に対して、Grokは平均40~50のWebページを参照し、情報を統合した包括的な回答を数分で生成します。一般ユーザーが同量の情報を収集・分析するには何時間もかかる作業を、わずか1分程度で完了できる点が大きな強みです。

DeeperSearchは、より広い範囲で検索をし、かつより深い推論を行うことができる発展機能です。DeepSearchよりも多くの情報源を参照し、より長時間(約3分)かけて精度の高い推論と分析を行います。高度な研究や詳細な市場分析など、より深い情報を必要とする場合に特に有効です。

Think機能:思考プロセスを可視化する推論エンジン

Grokのもう一つの強力な機能が「Think」です。この機能は数学、科学、プログラミングなどの複雑な問題に特に有効で、Grokが段階的な思考プロセスを展開しながら解答を導き出します。

Think機能を使用すると、問題解決の過程が「Thoughts(思考)」として表示され、どのように結論に至ったのかが明確になります。これにより、単なる答えだけでなく、問題解決のアプローチやロジックも学ぶことができます。

例えば「6面のサイコロを2回振ったとき、出た目の合計の期待値を計算して」という問題に対して、Think機能を使うと確率分布の考え方から期待値の計算方法、最終的な答えまで、段階的な思考過程とともに説明してくれます。

この機能は教育現場や研究活動において特に価値があり、複雑な概念の理解や問題解決能力の向上に貢献します。特にGrokはベンチマークテストで数学、科学、コーディング分野において高いスコアを記録しており、Think機能と合わせて活用することで優れた学習効果が期待できます。

Voice機能:14種類のトーンで多彩な対話体験

2025年4月に追加された「Voice機能」では、Grokとの音声対話が可能になり、多様な対話体験が実現しました。日本語にも対応しており、自然な会話感覚でAIを活用できます。

Voice機能の特筆すべき点は、14種類の「トーン」から選択できること。Assistant(標準的なアシスタント)、Storyteller(物語を語るように)、Therapist(セラピストのように)、Unhinged(型破りで自由な)など多様なスタイルから選べるほか、ユーザー独自のカスタムトーンも作成可能です。

トーン一覧:

  • Assistant:親しみやすく、情報提供を重視したトーン
  • Translator:翻訳者としてのトーン
  • Therapist:セラピストとしての穏やかで共感的なトーン
  • Storyteller:物語を語るようなトーン
  • Kids Story Time:子供向けの明るく楽しいトーン
  • Kids Trivia Game:子供向けクイズゲームのトーン
  • Meditation:落ち着いた、自己内省的なトーン
  • Grok "Doc":医者風の口調や振る舞いを意識したトーン
  • Unhinged:常軌を逸した、荒々しいトーン
  • Sexy (18+):大人向けの色気を含むトーン
  • Motivation (18+):モチベーションを高める、情熱的なトーン
  • Conspiracy:疑り深く、不穏なトーン
  • Romantic (18+):恋愛小説のように甘い雰囲気のトーン
  • Argumentative (18+):議論好きで熱く対立的なトーン

さらに「Grok Vision」機能も搭載され、カメラに映る映像をリアルタイムで理解・分析しながら会話できるため、「この建物について説明して」「この食材を使った料理のレシピを考えて」といった実用的なシチュエーションでも力を発揮します。

マルチモーダル機能と画像編集能力

Grokは高度なマルチモーダル機能を備え、テキストと画像を相互に理解・生成できます。また2025年3月から「画像編集機能」も追加され、アップロードした画像に対して指示に基づいた編集が可能になりました。

例えば「この写真の空を夕焼けにして鳥の群れを追加して」といった指示に従って画像を編集したり、「実在するようなソクラテスの画像を生成して」といったプロンプトから高品質な画像を生成することができます。

画像生成においては、1回のリクエストで2枚の画像が生成される点も特徴的で、より多くの選択肢から好みの画像を選べます。なお、専用アプリやSuperGrokサブスクリプションでは、画像生成の制限がより緩和されています。

Grokの画像生成機能は、他の主要な画像生成AIと比較しても高品質で、特にリアルな人物や風景の生成において優れた性能を発揮します。ユーザーのニーズに合わせた多様な画像スタイルに対応し、ビジネスから創作活動まで幅広い用途に活用できます。

Grokの実践的な活用例

ビジネスにおける活用例

  • リアルタイム市場分析:「今週の半導体業界の動向と今後の予測」など、最新の市場状況を分析
  • 競合調査と事業戦略:「当社の製品カテゴリーにおける新規参入企業と彼らの戦略」を最新情報から抽出
  • 資料作成とプレゼン支援:「このデータから主要なインサイトを抽出してビジュアル化」など、説得力のある資料作成
  • コード開発とデバッグ:「このエラーの原因と解決策」など、プログラミング課題の迅速な解決

ビジネスシーンでは、特にDeepSearch機能を活用したリサーチが効果的です。例えば「現在のEV市場における主要プレーヤーと技術トレンドをまとめて」といった指示に対し、最新のリサーチレポートやX上の業界専門家の見解を踏まえた包括的な分析が得られます。

また、コード開発においては、Think機能を活用して複雑なアルゴリズムやデバッグを段階的に進めることで、開発効率の大幅な向上が期待できます。Grokはコーディング能力において特に高いスコアを記録しており、プログラマーの強力な助手となります。

研究・学術分野での活用例

  • 最新研究動向のモニタリング:「量子コンピューティングの最新ブレークスルー」など研究フロンティアの把握
  • 学際的アプローチの発見:「神経科学と人工知能の交差点における研究」など分野横断的な知見の獲得
  • 実験データの分析と解釈:「このデータセットから見られるパターンと統計的有意性」の迅速な分析
  • 論文レビューと構造化:「この論文の主要な貢献と限界点」など既存研究の効率的な理解

研究活動では、約100万トークンという膨大なコンテキスト処理能力が特に価値を発揮します。長大な論文や複数の研究データを一度に分析し、包括的な視点を得ることができます。

また、Think機能を使った段階的な問題解決アプローチは、複雑な研究課題に取り組む際の思考整理や、新たな仮説の生成に役立ちます。特に数学や科学分野の難問に対しては、既存の解法を提示するだけでなく、代替アプローチや最適化手法も提案してくれる点が研究者から高く評価されています。

日常的な活用例

  • パーソナライズされた情報ダイジェスト:「私の関心分野における今週の重要ニュース」など、関連情報の効率的収集
  • 創造的プロジェクトの支援:「この小説のプロットに関する新しい展開のアイデア」など創作活動のサポート
  • 学習と自己啓発:「量子力学の基本概念をわかりやすく説明して」など、複雑なトピックの理解促進
  • 日常の意思決定サポート:「東京から京都への最も効率的な旅行計画」など、実用的な情報提供

個人利用では、Voice機能による自然な対話体験が特に魅力的です。例えば料理中に「この材料で作れる簡単なレシピ」を尋ねたり、外出先で「この建物の歴史」について質問するなど、ハンズフリーでの情報アクセスが可能になります。

また、カスタムトーン機能を使えば、「励ましてくれるライフコーチ」や「サルカスティックな友人」など、好みの対話スタイルを持つAIパートナーを作成することもできます。これにより、単なる情報提供ツールではなく、パーソナライズされた対話相手としてGrokを楽しむことができます。

ChatGPTとの主要な違い

比較項目 Grok GPT-4o
リアルタイム情報 X連携で常に最新情報にアクセス 知識カットオフあり(一部WebブラウジングでGPT-4o with Web)
対話スタイル 14種類のトーンとカスタマイズ 比較的フォーマルで一貫性重視
コンテキスト長 約100万トークン 128Kトークン
推論能力 Think機能で段階的思考プロセス可視化 バランスの取れた推論能力
特殊機能 DeepSearch、Voice、Vision テキスト生成、コーディング、データ分析に優れる
利用料金 X Premium+:月額6,080円~ ChatGPT Plus:月額2,400円

情報鮮度の違い

GrokとChatGPTの最も顕著な違いは、情報アクセスのアプローチです。Grokは常にX経由で最新情報にアクセスできる一方、ChatGPTは基本的に知識カットオフ日までの情報に限定されます(GPT-4o with Webは例外)。

対話スタイルの違い

対話スタイルにも大きな違いがあり、Grokはよりユーモラスで個性的な応答を特徴とし、14種類の「トーン」から選択できるカスタマイズ性を提供します。一方、ChatGPTはより中立的・形式的な応答スタイルを基本としています。

使い分けのポイント

利用シーンに応じた選択基準としては:

  • 最新情報が必要:市場動向、時事問題、トレンド分析 → Grok
  • 長文脈の処理が必要:長い文書の分析、複雑な会話の維持 → Grok
  • 創造的・個性的な応答が必要:ブレインストーミング、エンターテイメント → Grok
  • 厳密な事実確認や形式的文書作成:学術論文、公式文書 → ChatGPT
  • コスト効率重視:予算の制約がある場合 → ChatGPT

多くのプロフェッショナルユーザーは、タスクの性質に応じて両方のツールを使い分けることで、それぞれの強みを最大限に活用しています。

例えば、最新の市場動向調査にはGrokを利用し、その情報を基にした公式レポート作成にはChatGPTを使うといった組み合わせが効果的です。

Grokの導入・利用方法

アクセス方法:Xプラットフォームと専用アプリ

Grokにアクセスする方法は主に2つあります:

  1. Xプラットフォーム経由

    • PC:Xにログイン後、左サイドバーの「Grok」をクリック
    • スマホ:Xアプリの下部メニューから「GROK」をタップ
  2. 専用アプリ経由

    • iOS/Androidの専用Grokアプリをインストール
    • アプリ内でログインまたは新規アカウント作成

特にスマートフォンでの利用に便利なのが専用アプリで、Voice機能やVision機能を活用したマルチモーダルな体験が可能です。

2025年5月現在、日本でもApp StoreとGoogle Play Storeから「Grok」アプリをダウンロードできます。

さらに、日本国内では「GP Chat」などのGrokを搭載した国産アプリも登場しており、日本語に特化した形でGrokを利用することも可能になっています。

Grokの料金プランと機能比較

プラン 月額料金 年額(割引) 主な特徴
X Premium 980円 10,280円 基本的なGrok機能、広告削減
X Premium+ 6,080円 60,000円 Grok全機能、広告非表示、DeepSearch、Think機能
SuperGrok 約3,600円($30) 約36,000円($300) 専用アプリ、画像生成無制限、DeepSearch、Think、Voice機能

2025年5月の最新情報によると、各プランの主な違いは以下の通りです:

  • X Premium:Grokの基本機能にアクセス可能だが、DeepSearchやThink機能は制限あり
  • X Premium+:Grokの全機能にアクセス可能、X上での広告完全非表示
  • SuperGrok:専用アプリから利用、画像生成の制限緩和、すべての高度機能にアクセス可能

支払い方法として、WebブラウザからX Premiumに加入する場合と、アプリ内課金で加入する場合で料金が異なる点に注意が必要です(アプリ内課金は手数料により割高)。

また、2025年4月現在では、無料プランでもGrokの基本機能を利用することができます。無料アカウントの場合、DeepSearchやThinkモードは24時間に2回までの利用制限があり、通常のチャットに関しては明確な回数制限はないものの、サーバーの負荷状況によっては制限がかかることがあります。

まとめ

Grokは、リアルタイム情報処理能力、高度な推論機能、多彩な対話スタイルを融合させた次世代対話型AIとして、ビジネスから個人利用まで幅広い可能性を秘めています。

特に、X連携によるリアルタイム情報アクセス、DeepSearch/Think機能による複雑な情報処理と推論、Voice機能による自然な対話体験は、他のAIモデルとの明確な差別化ポイントとなっています。

AI技術の急速な進化に伴い、Grokも今後さらなる機能拡張が期待されます。最新の技術動向に注目しながら、ニーズに合わせた最適な活用法を探求することが重要と言えるでしょう。

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