Google発の最新画像生成AI「ImageFX」徹底解説
「ImageFX(イメージエフエックス)」は、Googleが2024年2月にリリースした最新の画像生成AIツールです。テキストに沿ったイメージを自動で描き出す「Text to Image」技術を搭載しており、その高い写実性と幅広い表現力が大きな注目を集めています。 Googleアカウントがあれば無料で利用できる手軽さも相まって、ビジネス現場から個人の趣味・学習用途まで活用の幅が急速に広がっています。2024年12月には最新版のImagen 3へのアップデートと、新ツール「Whisk」の発表により、さらなる進化を遂げました。 本記事では、ImageFXの概要や技術的背景、料金プランや商用利用の留意点をはじめ、具体的な使い方や編集機能、他社AIモデルとの比較まで余すところなく紹介します。最新バージョンのImagen 3がもたらす進化や、Whiskとの連携による新しい可能性についても詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
ImageFX(イメージエフエックス)とは?
ImageFXは、Googleが2024年2月に正式発表し、「Google Labs」のプロジェクトとして一般公開された最新の画像生成AIツールです。テキストで指示を入力すると、指定したイメージに沿った画像を自動生成してくれる「Text to Image」サービスとして注目を集めています。
Google DeepMindチームが開発した「Imagen(イメージェン)」という拡散モデル(Diffusion Model)がエンジンとして使われており、写真のようにリアルな描写からイラスト的な作風まで、多彩な画像を生み出せる点が特徴です。2024年12月には最新版のImagen 3にアップデートされ、さらに高品質で多様なスタイルの画像生成が可能になりました。
Googleアカウントさえあれば誰でも無料でアクセスできることから、ビジネス用途やクリエイティブ制作の現場はもちろん、一般ユーザーの趣味や学習など、幅広いシーンで利用が広がっています。
1. ImageFXの概要と背景
1-1. 開発の経緯とGoogle Labsでの実験プロジェクト
ImageFXは2024年2月1日にGoogle公式ブログで発表された新しいAIツールです。Googleが長年にわたり研究してきた大規模生成モデル「Imagen」をベースにしており、当初はアメリカやニュージーランド、オーストラリアなど限られた地域で試験公開されていました。
2024年12月のモデルアップデート(Imagen 3の最新版リリース)に伴い、グローバル提供が一気に拡大し、現在では日本を含む100以上の国・地域で利用できるようになっています。Google Labs上の実験サービスとして提供されているため、今後も継続的に機能やUIがアップデートされる可能性が高いと見られています。
1-2. Imagenモデルの技術的特徴
ImageFXの核となるImagenモデルは、拡散モデル(Diffusion Model)の手法を用いたテキスト画像生成アルゴリズムです。学習データとして膨大な画像とそのキャプション(説明文)を取り込み、文章のニュアンスを精密に読み取って段階的に画像を生成します。
2024年12月にリリースされた最新版のImagen 3では、以下の特徴が強化されています:
- 高い写実性:フォトリアリスティックな描写が得意で、細部の質感やライティングまで自然に再現
- 多彩なスタイル表現:写実主義から印象派、抽象画からアニメまで、より多様な画風を正確に再現
- 明るく構成の良い画像:従来版より明るく、よく構成された画像を生成
- プロンプトへの忠実性向上:テキスト指示により正確に従った画像生成が可能
- 安全・倫理対策の徹底:不適切なコンテンツを生成しないようガードレールを設け、さらに生成画像にはSynthID(電子透かし)という不可視ウォーターマークも埋め込まれています
この最新版により、ImageFXの出力画質や表現力が大幅に向上し、人間の評価者による比較テストで最先端の結果を達成しています。
2. 料金プランと商用利用の見通し
現状、ImageFXは無料で提供されており、Googleアカウントによるログインのみで使えるのが大きな魅力です。ただし、AIサービスはユーザー増加に伴い、個人利用と商用利用を分けるケースが多くみられます。
- 商用利用ポリシー:2025年8月時点でも明確な商用利用ガイドラインは公開されていません。Google Labsのサポートによると「利用規約を全て確認・遵守する必要がある」とされていますが、具体的な商用利用の可否については明示されていない状況です。
- 著作権の扱い:生成画像の著作権に関する詳細な取り決めも未公開です。Google Cloudの商用版(Vertex AI経由のImagen API)では明確な利用規約が整備されているため、商用利用を検討する場合はそちらの利用も選択肢として考慮すべきでしょう。
- 現在の位置付け:ImageFXは依然として「実験的なツール」という扱いのため、商用プロジェクトでの使用は慎重に判断することをお勧めします。
商用利用を検討する際の注意点:
- ロゴ、商品パッケージ、広告素材などへの使用前には必ず最新の利用規約を確認
- 重要なプロジェクトでは、より明確な商用ライセンスが提供されているAI画像生成サービスの併用も検討
- Googleからの公式アナウンスを定期的にチェック
3. ImageFXを始める手順
3-1. 公式サイト・Google Labsへのアクセス
- 公式ページにアクセス
ウェブブラウザでImageFXの公式サイトにアクセスします。 - 利用条件の確認
ImageFXを利用するには18歳以上である必要があります。Google Labsの全ツール(ImageFX、MusicFX、Whisk、Flow)共通の利用条件となっています。 - Googleアカウントでログイン
画面右上の「ログイン」ボタンを押し、任意のGoogleアカウントを選んでサインインします。ログインが完了すると、ImageFXの画像生成機能が全て解放されます。
3-2. Bardから直接利用する方法
Googleの対話型AI「Bard」にImagenが統合されており、Bard上で「○○の画像を作って」と指示すると即座にImageFX由来の生成画像が表示されます。
- 無料で使える:Bardは2024年半ばより日本を含む多言語対応が進み、ImageFXもあわせて利用可能に。
- 出力解像度:Bard経由でも高品質な1536×1536ピクセルの画像をダウンロードできます。
- 対話型のプロンプト改善:Bardに追加指示を出しながら生成結果をブラッシュアップしていく、といった使い方も可能。
4. ImageFXの基本機能と使い方
4-1. Text to Image生成
-
プロンプトBOXに文章を入力して「作成」
画面左側のテキストボックスに簡単な英語または日本語(現段階では英語がより高精度)で指示を入力し、「作成」ボタンをクリックすると、複数の候補画像が右側に表示されます。 -
追加要素を盛り込む
「A candy house in the forest, cookies, chocolates, cake sticks, candy, biscuits, fairy tale style, cute」などのように、スタイル・要素を詳細に書き加えるほど、イメージに近い画像が得られやすくなります。 -
エクスプレッシブ・チップ(Expressive Chips)の活用
プロンプト欄の下に表示される関連キーワードをクリックするだけで、「35mm film」「minimal」「sketchy」など様々なスタイルをワンタッチで追加できます。
4-2. キーワード差し替えによるバリエーション生成
生成後の画面では、主要キーワードがハイライトされ、右側の▼マークから類義語・関連語を選択できます。
- 例)「candy house」を「gingerbread house」「ice cream house」に変えるだけで、全く異なる雰囲気を手軽に再生成。
- 「cute」「fairy tale style」を「ugly」「horror style」に変更したり、背景を「forest」から「beach」にしたりと、好みに応じて自由自在です。
4-3. 部分編集(インペインティング)
ImageFX単体でも簡易的な部分編集に対応しています。
- 編集モードに切り替え
生成した画像の下にある「Edit image」ボタンをクリック。塗りブラシで変更したい領域を塗りつぶします。アスペクト比が「正方形」の場合のみ使える機能なので注意が必要です。 - テキストで修正内容を指定
例:「change the chocolate to biscuits(チョコレートをビスケットに変更)」のように書いて「Re-generate」を押すと、その箇所だけ別の要素に置き換えられた案が複数提示されます。
4-4. 生成画像のダウンロード・共有
- クリップボードコピー:他のアプリケーションへ素早くペースト可能。
- ローカル保存(Download):PCやスマホに保存して編集ソフトで後から加工もOK。
- シェア用URL生成:友人や同僚にURLを渡すだけでブラウザ上で閲覧・再生成してもらえます。
- 不適切な出力の報告:ガイドラインに反する画像が生成された場合は通報が可能。
5. ChatGPT(他のLLM)を使ったプロンプト作成のコツ
より理想的な出力を得るには、プロンプト自体を工夫することが重要です。ChatGPTなどの言語モデルを活用してプロンプトを生成・改善する方法もあります。
- 画像の特徴分析
参考画像をChatGPTにアップロードし、「この画像の構図や色調、スタイルを詳しく説明して」とお願いすると、英語での細かい説明が得られます。 - 説明をプロンプトに転用
得られた要素をそのままImageFXのプロンプトに反映することで、「夕暮れの赤味を帯びた空」「上から見下ろした視点」など詳細設定がしやすくなります。 - 段階的なブラッシュアップ
もしイメージとずれた結果が出たら、「もう少し◯◯な雰囲気に近づけるためのプロンプトを提案して」とLLMに再指示し、修正版プロンプトを試す流れも有効です。
6. ImageFXで生成・編集できないケース
ImageFXには独自のコンテンツポリシーが存在し、以下のようなケースは自動的にブロックされる可能性があります。
- 暴力的または公序良俗に反する表現
- わいせつ・アダルト要素の強い画像
- 個人の肖像や著名人を模倣する表現(肖像権・プライバシー保護の観点から制限)
- 未成年者が危険・不適切行為に関わる内容
ブロックされた際は、プロンプトの言い換えや対象の設定変更を試してみてください。画像生成AI全般に言えることですが、特にGoogleは安全策を重視しているため、他社モデルよりフィルタが厳しめだというユーザーの声もあります。
7. 競合製品との比較
7-1. OpenAI DALL-E 3との比較
- 特徴:DALL-E 3はGPT-4と深く連携して複雑な文章表現に強いとされ、一方のImageFX(Imagen)はリアル描写や汎用性の高さが強み。
- 使いやすさ:DALL-E 3はChatGPT連携で対話的にプロンプトを調整できるが、ImageFXはUIがわかりやすく、エクスプレッシブ・チップを使ったスタイル変更が手軽。
- 料金:ImageFXは無料で使えるが、DALL-E 3はChatGPTの有料プランを利用すると高速に大量生成できるなど利便性が異なる。
7-2. Adobe Fireflyとの比較
- 商用利用の安心感:FireflyはAdobe Stock等、ライセンスクリアな学習データを使うことで企業利用に適した環境を整備。一方、ImageFXはまだベータ扱いで商用ライセンスが流動的。
- Photoshopとの連携:FireflyはPhotoshopやIllustratorに直接統合されており高度な編集との組み合わせが可能。ImageFXは単体ツールがメインだが、将来的に「Whisk」など新ツールの展開が予定されている。
- 描画傾向:Fireflyは鮮やかでイラスト調になりやすい傾向が指摘され、ImageFXは比較的「自然で落ち着いた」絵作りになるケースが多いといわれる。
7-3. Midjourneyや他のモデルとの比較
- Midjourney:美術的・芸術的な世界観に特化した独特のスタイルを持つと言われる。ImageFXは幅広いシーンに合わせやすい反面「無難」になりがちという意見も。
- ローカル系モデル(Stable Diffusionなど):ローカルで自由度高く生成できるが、グラフィックボードなどハードウェア要件がある。ImageFXはクラウド環境で完結し、端末を問わず動作する。
8. 【実際の使用例】
8-1.企業のイメージマスコットの作成
プロンプト
bear mascot for a cosmetics brand.修正モードを使ってクマのスカーフをマフラーに変えることもできます。
9. 最新動向・今後の展望
9-1. Imagen 3の進化と「Whisk」の本格展開
2024年12月16日にGoogleが発表した「Whisk」は、ImageFXとは異なるアプローチの画像生成・編集ツールとして注目を集めています。同時に発表されたImagen 3の最新版とともに、ImageFXエコシステムの重要な構成要素となっています。
Whiskの主要機能:
- 画像ベース生成:テキストプロンプトではなく、画像をドラッグ&ドロップすることで新しい画像を生成
- 3要素リミックス:「被写体」「シーン」「スタイル」を個別に指定して組み合わせることが可能
- Imagen 3 + Gemini連携:GoogleのGeminiモデルが画像解析を担当し、最新のImagen 3が高品質な再生成を実行
- デジタルグッズ作成:デジタルぬいぐるみ、エナメルピン、ステッカーなどの作成に特化
ImageFXとの使い分け:
- ImageFX:テキストからの直接的な画像生成、初心者向けの簡単操作
- Whisk:既存画像のリミックス、より創造的で実験的な表現
新機能の展開: Whiskは現在アメリカでのみ利用可能ですが、Veo 2技術を使った動画生成機能も同時に発表されており、将来的には静止画から動画まで統合したクリエイティブワークフローが実現される見込みです。
9-2. 安全性と規制動向
AI生成物に関する法的・倫理的な規制が各国で議論されるなか、GoogleはSynthIDウォーターマークや画像のメタデータへのタグ付けによる「コンテンツ認証」機能を積極的に推進しています。AdobeのC2PA(Content Credentials)との連携や、OpenAIなど他社との技術標準化も進行中です。
- ユーザーの意見:過度なフィルタリングや透かし埋め込みを嫌がる声がある一方、情報が混乱する時代だからこそ生成AIの透明性を確保すべきだという意見も根強く、Googleは引き続きバランスを探っている段階といえます。
10. まとめ
GoogleのImageFXは、最新のImagen 3モデルによる高品質な画像生成と、UIのシンプルさ・無料で使える手軽さで2025年現在も多くのユーザーに支持されています。エクスプレッシブ・チップを活用すれば専門知識がなくても多彩なスタイルを試せ、ChatGPTなどの言語モデルと連携すれば理想のプロンプトを段階的に磨き上げることも可能です。
2025年時点での注意点:
- 年齢制限:18歳以上でないと利用できません
- 商用利用の不透明性:明確なガイドラインが依然として未公開
- 地域制限:Whiskは現在アメリカのみ、ImageFXは100以上の国で利用可能
競合との差別化ポイント:
- OpenAI DALL-E 3:有料だが商用利用ライセンスが明確
- Adobe Firefly:Creative Cloudとの統合、企業向けライセンス充実
- ImageFX:無料だが商用利用は不透明、実験的機能が豊富
今後の展望: 2024年12月のアップデートにより、ImageFXエコシステムは大きく進化しました。Whiskとの連携によって、テキスト生成からビジュアルリミックス、さらにはVeo 2による動画生成までを統合したクリエイティブワークフローが実現されつつあります。
最新のImagen 3は人間の評価者による比較テストで最先端の結果を達成しており、より直感的で高度な画像生成体験が期待できます。商用利用を検討している方は、Google Cloud Platform経由でのImagen APIや他社サービスとの併用を検討し、最新の利用規約情報をGoogle Labs公式サイトで定期的に確認することをお勧めします。